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四世ビザ条件緩和の動きなし=「現地の要望を本省に伝える」=現時点はビザ発給が停止中

法務省サイトより

法務省サイトより

 「日系四世ビザ緩和の動きはありそうですか」――パンデミックの最中でも、本紙編集部には電話やSNSなどを使ってそのような問い合わせが入っている。日本に行きたいという日系四世の人からの問合わせで、以前から条件緩和が熱望されていた。在サンパウロ総領事館(桑名良輔総領事)へ確認をしたところ「現時点では具体的な緩和が検討されているという情報はない」という。ただし、多くの四世が利用してくれることが重要として、「現地での制度改善の声を引き続き本省に届けていく」という前向きな姿勢を示した。

 

 2018年7月に「日系四世の更なる受け入れ制度」として施行した要件では、「18歳以上から30歳以下まで」の年齢制限や、「家族を帯同しないこと」「日本語能力試験N4程度の能力」が必要となってくる。2年を超えて在留する場合はさらに上のN3レベルの語学力必要になる。
 これらの要件の他に「日系四世の受け入れサポーター」の確保も必要となってくる。こうしたハードルの高さから法務省が用意した年間の受け入れ枠4千人のうち在留資格を得たのは施行後1年で約40人のみ。
 「四世受け入れサポーター」は個人、または非営利団体が無償で四世の生活や入管手続きの支援を行う制度だ。サポーター側は最低でも月に1度の生活状況確認と、入国管理局へ年に1~2回報告義務がある。
 サポーターとなる場合、個人でも法人職員でも1人あたり支援人数は2人までなので、年間で4千人受け入れるためには少なくともサポーター2千人以上が必要となる。一方、法務省で掲載している「日系四世受け入れサポーター団体」は現在3団体のみだ。
 ただし海外日系人協会(横浜市)が日系四世と受入れサポーターとの橋渡し(マッチング)を行っている。詳細は同サイト(http://www.jadesas.or.jp/consulta/post-39.html)、問い合わせは同協会(info@jadesas.or.jp  )まで。
 とはいえ今現在、新型コロナウイルスの世界的流行により、7月22日からブラジルも査証制限措置対象国となっており、入国拒否措置が講じられている。当分の間、ビザ自体が発給されない。
 ただし「特段の事情」があると認められれば外国籍の人も入国が可能となる。4月3日以降に査証発給もしくは、再入国許可を使用して訪日する場合は、出国予定時刻72時間以内の新型コロナウイルス検査証明証明書の提出が必要。
 新型コロナウイルス感染症に関する日本査証の取り扱いや取り組みについては随時総領事館が情報を更新している。詳細は次の通り(日本語ページ=https://www.sp.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/visto_jp.html)