新型コロナウイルスの感染拡大抑制のために不可欠とされたPCR検査が、より簡便化される可能性が出てきた。
オズワルド・クルス財団とVisuri社が共同開発した携帯型検査器が、国家衛生監督庁(Anvisa)の承認を待つばかりになったのだ。
携帯型検査器はOmniLAMPと呼ばれ、通常のPCR検査同様、鼻と喉から採取された検体を分析する。検査器で採取された検体はその場で分析にかけられ、ウイルスが検出された場合(陽性)は色のついたシグナルが発せられる。
分析用のソフトウェアはVisuri社のサーバーに繋がっており、分析結果は、現在地を示すデータなどと共に、インターネット上のクラウドに保存される。
陽性と判断されたデータに関する情報は、感染実態を把握するための報告書にも記載される。この検査器を使えば、検体採取の場所を選ばなくなる上、携帯電話のアプリさえあれば、判定結果は検体採取後30分で入手できる。
オズワルド・クルス財団によると、携帯型検査器の精度は非常に高く、判定結果は信頼できるという。
この携帯型検査器の開発プロジェクトは、デング熱やジカ熱、チクングニア熱への感染の有無を確認する必要が急増した2018年に発足していた。だが、パンデミック宣言を受け、今年3月からは新型コロナウイルスへの感染を確認できるよう、的を絞り直して製品化を進めたという。
新型検査器が承認されるのを待つ間、オズワルド・クルス財団やVisuri社は、関係団体と共に検査器と検査用キットの製造に関する検討を重ねている。現時点では、検査器製造はVisuri社、検査用のキットの製造は免疫生物学研究所(Bio-Manguinhos)が担当する事になりそうだ。(3日付アジェンシア・ブラジルより)