リオ連邦大学(UFRJ)が7日に創立100周年を迎えた。
UFRJは1920年9月7日、エピタシオ・ペッソア大統領(当時)の大統領令で、当時既にあった単科大学(1792年創立で、職業教育中心に教育課程が編成されていたポリテクニックスクール、1808年創立の国立医科大学、1891年創立の国立法科大学の三つ)を統合して創設された、ブラジル最古の総合大学だ。
同大学は100周年記念に、『100周年、二つのパンデミックを経験したブラジルの大学』と題すドキュメンタリー映画を作成、公開した。
UFRJは、世界中で5千万人以上、ブラジルでも3万5千人を超す犠牲者を出したスペイン風邪の世界的流行(パンデミック)の影響が色濃く残る時期に発足した。UFRJ医学部は前身の国立医科大学同様、パンデミック抑制に尽力した。
スペイン風邪との戦いのために、大学病院も併設した医学部や、各種の研究を並行して行える総合大学の必要性を認識した結果、UFRJが発足した。
同大学の研究者達は創立100周年を迎えた今も、新型コロナウイルスによるパンデミック抑制に全力を挙げて取り組んでいる。その取り組みは患者への対応だけに止まらず、感染の有無を判定する検査の開発、予防接種ワクチンなどの開発にも役立つより強力な抗体増殖が馬を使うことで可能になる事を発見するなど、様々な形、様々な分野で続けられている。
UFRJは幅広い分野で研究、開発に従事し、優秀な人材や優れた研究・作品などを次々に世に送り出してきた。来年は7100万レアルの予算削減が見込まれているが、研究活動への熱意は失われていない。
同大学初の女性学長のデニゼ・ピレス・デ・カルヴァーリョ氏は、「社会が前進していくために不可欠で、ブラジルが抱える格差を減らしていけるような基礎的プログラムを中心に、研究活動に取り組んでいく」との決意を表明している。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う遠隔授業の採用も大きな挑戦だ。UFRJでは、全学生が遠隔授業に参加できるよう、約3400人の学生にコンピューター購入補助として1千レアルを支給している。
2018年9月の大火災で甚大な被害を受けた国立博物館再建も、重要な課題だ。再建工事は年内に再開され、2022年には施設の一部が一般公開される予定だ。
現在は、大学部門が学部、学科を合わせ、176のコースを開設。大学院には232のコースがあり、修士号や博士号獲得を目指す学生達が受講中だ。教員は約4千人おり、学生は約6万5千人。管理運営を担当する技術者は約5千人、病院職員も約3千人いる。
同大学傘下の医療関係施設は、大学病院など九つ。博物館や美術館は13あり、ラボラトリーは1456カ所。拡張プロジェクトは1863件あり、文化遺産に指定された建物も14ある。図書館は45あり、企業などとの共同研究のためには35万平米に及ぶ広大な施設(技術公園)も擁している。(7日付G1サイトより)