8月27日、パラナ州柔道連盟に対して、日本から送られた畳91枚と柔道着100枚を寄贈する式典が、クリチバ市内の同連盟本部で行われた。在クリチバ総領事館の石田健治副領事(滋賀県、44歳)は柔道4段、現地で練習・指導に関わっていた関係で、総領事館と外務本省を通じて日本とのコンタクトを試みたところ、シドニーオリンピック柔道金メダリストの井上康生氏が理事長を務める特定非営利活動法人JUDOs(https://judos.jp/)が諸経費も含めて全面的に協力することとなった。
これら用具の必要性は以前から叫ばれていたが、その調達や輸送にかかる費用もあり日本からの取り寄せは容易ではなかった。最後の難関はブラジル側の通関手続きであったが、総領事館が最後までフォローし、コロナの影響で時間はかかったものの何とかクリアできた。
式典はコロナ禍であることから、マスクを着用、参加者を約20人に絞って行われた。
在クリチバ日本国総領事の高木昌弘氏は、井上氏とJUDOsへの感謝を述べた上で、「東京オリンピック・パラリンピックを来年に控える中で、本件寄贈を通じてパラナ州とブラジルの柔道がさらに発展し、日伯間の友好がますます深まることを期待します」と挨拶した。
クリチバ市スポーツ局長のエミリオ・アントニオ・トラウツァイン氏(Emilio Antonio
Trautwein)は、「柔道が青少年の人格形成に果たす重要な役割になる」と述べ、「寄贈への深い感謝とクリチバ市からさらにブラジル柔道を発展させていきたい」と語った。
パラナ州柔道連盟のイワシタ・ルイス・ヒサシ会長(二世、66歳)(Luiz Hisashi Iwashita)は、「ブラジルでは入手できない本場の畳と柔道着を日本から寄贈していただき、夢が現実になったものとして感謝に堪えない。この寄贈を活かして、長い年月をかけて一歩ずつ発展してきた当地柔道を更に盛り上げていきたい」と語った。
寄贈された畳は、同連盟本部があるイワシタ柔道協会への設置がすでに終わっており、柔道着は今後、恵まれない地区の子供たちに配布される予定だ。