製薬会社「アストラゼネカ」が8日、英国オックスフォード大学が開発し、ブラジルでも治験の第3段階が行われている、新型コロナウイルスの予防接種ワクチンで副作用の可能性がある人が出たことを理由に、治験の一時中止を発表した。9日付現地紙が報じている。
オックスフォード大学と製薬会社「アストラゼネカ」が開発中のワクチンの治験中止は、英国で治験に参加していたボランティアの中で強い副作用の可能性がある人が出たことが原因とされている。
どういう副作用かは説明されなかったが、ニューヨーク・タイムスの報道によると、横断性脊髄炎(単一または複数の隣接する髄節におきる炎症)を起こした人がいたとのこと。同ワクチンに関しては、ブラジルでも、サンパウロ州連邦大学の協力の下、全国で5千人の治験者を募って第3段階の治験が行われていた。ブラジルでの治験ではまだ、同様の問題は指摘されていない。
同ワクチンは欧州での実用化を高く期待されていたもので、ブラジル保健省も最も早い実用化を期待している。ブラジル政府も、正式に認可された時点で国内生産を行うための準備を進めていた。
なお、治験中止は珍しいことではなく、世界保健機関はむしろ、安全性を確認するための治験一時中止を高く評価している。