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《ブラジル》物価上昇で米40万トンに免税措置=供給量増で価格安定計る

免税化が決まった米(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 【既報関連】レアル安などで基礎食料品を含む物価値上がりが目立つ中、貿易協議所(Camex)が9日、輸入米40万トンを免税にする事を決めたと同日付現地紙サイトが報じた。
 食料品値上がりは8月のインフレを押し上げた主要要因だ。特に、今年に入ってから19・2%値上がりした米や、28・9%値上がりしたフェイジョン・プレット(フェイジョン・カリオカは12・1%)、18・6%値上がりした大豆油などは食卓に欠かせない食材だ。
 サンパウロ総合大学先端的応用経済研究センター(Cepea)によると、米の価格は12カ月間で2倍以上になった。米の値上がりはレアル安と輸出増、収量減少の三つが原因と見られており、5キロ入りの袋を40レアルで売っている店もあるという。
 穀物などの価格の動きは収穫時期や収量とも関係するが、米はちょうど端境期で次の収穫は来年となるため、国内での供給を増やす事による価格安定は困難だ。

 このため農務省は9日、貿易協議所に米の免税化を要請。今年一杯という条件で、40万トン分の米の関税をゼロとする事となった。現行の関税は、加工米(精米)が12%、殻付の籾米が10%だ。免税化は大統領府、経済省、外務省、農務省の代表が決定した。
 米の国内消費量は1160万トンで、例年も約10%を輸入している。今年は新型コロナウイルス流行を受け、失業者や低所得者に緊急支援金が支給された事で、低所得者層の購買力も向上。専門家は、支援金減額で買えなくなる前に買いだめする人が出て、基礎食品価格を押し上げた可能性もあると見ている。