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《ブラジル》コロナ禍=感染者や死者の減少続く=致死率下がるが死亡率は8位=BCG含むワクチン治験前進

新型コロナの予防接種ワクチンの治験(Divulgacao/Govern odd Sao Paulo)

 ブラジル初の新型コロナ感染者確認から200日目の12日は感染学上の第37週の最終日で、1週間の感染者数(3万2747人)は過去最大の前週比30・4%減を記録した。死者数の5007人も感染開始以来最大の12・8%減だった。
 12日現在の感染者は431万5687人、死者は13万1210人、回復者は355万3421人、治療中の患者は63万1056人だった。13日はこの数が各々、433万455人、13万1625人、357万3958人、62万4872人となっている。また、致死率(死者数/感染者数×100)は11日以降、3・0%台に落ちている。
 第37週の感染者減少は、第36週に地域全体で75・1%増を記録した南部が55・6%減となった事などを反映。1週間の感染者数が前週よりが増えたのはマット・グロッソ・ド・スル州の0・7%のみで、地域別の1週間の感染者数は全地域で減少。1日あたりの平均感染者数は2万7527人となった。
 ただ、12日現在の感染者数を5日の総数で割ると、10%以上増えた州が二つ。計7州が7%超の増加を記録した。
 他方、1週間の死者数は5州で前週より増えたが、第35週(8月23~29日)の11・5%減を上回る12・8%減となり、1日の平均死者数も715人となった。死者数減は第34週の7018人以来、3週連続だ。ただ、こちらも、5日現在の死者数よりも10%以上増えた州が一つなど、6州で前週末比で7%超増を記録した。

 ブラジルの感染者数は、米国、インドに次ぐ世界3位、死者数は米国に次ぐ世界2位だ。総人口が国毎に異なるため、感染率や死亡率を重視する人も多いが、保健省発表の感染率(13日現在)は100万人あたり2万607人、死亡率は626人だ。死亡率は米国やスイス、イタリア、英国などを超え、世界8位(報道機関の集計では613人で9位)となった。
 新型コロナウイルスの感染抑制策として各国が争っている予防接種ワクチン開発に関しては、アストラゼネカ社が12日、英国の治験者が呈した症状は予防接種によるものではないとの判断が下ったとして、オックスフォード大学が開発中のワクチンの治験再開を発表。ブラジルでも14日から治験が再開される。
 また、14日付アジェンシア・ブラジルなどによると、オズワルド・クルス財団は10月から、BCGワクチンの新型コロナ感染抑制力を確認する臨床試験を始める。BCGが他の呼吸器系疾患に対する免疫を生じさせる事は実証済みで、新型コロナに対しても効果があると見られているが、実際の効果は試験中だ。
 ブラジルでの治験は第3段階で、リオ州とマット・グロッソ・ド・スル州の医療従事者3千人を対象に行われる。治験者は新型コロナに感染していない事を確認後、ワクチン接種を受ける。接種後は毎週、電話で経過確認など、最大1年間、観察下に置かれる。同治験は世界保健機関の支援を受けており、豪州や英国、スペインでも並行して試験が行われている。