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《ブラジル》大統領が目玉新社会政策断念を発表=年金生活者の調整凍結案に激怒=「22年まで話題に出すな!」

ボルソナロ大統領(Marcos Correa/PR)

 ボルソナロ大統領は15日、「ボウサ・ファミリア」に代わる目玉新社会政策「レンダ・ブラジル」の断念を発表した。その背景には、経済省が同政策を行うに当たり、年金生活者や障害者への支払調整の凍結を行おうとしたことがある。15日付現地サイトなどが報じている。
 ボルソナロ大統領は15日、ネット動画を通じて「(自分の任期である)22年まで、レンダ・ブラジルの話をするのを禁じ、ボウサ・ファミリアを継続することにする。以上」と発言した。
 この動画で大統領は、「『年金生活者や障害者に支払うべき費用から、21年だけで200億レアルを連邦政府が削減しようとしている』と新聞で報じられたことに驚いた」と語った。
 「何週間か前にも、貧しい人たちに支払うために、別の貧しい人から金を取るようなことをするなと言ったんだ。私にとって、そのような政策をとろうとする人たちにはレッドカードをつきつけるだけだ」と言い切り、経済省に警告まで行った。
 この日の朝の新聞報道では、パウロ・ゲデス経済相を長とする経済スタッフは、定年退職者や年金生活者の内、最低賃金1つまでの人の受給額は調整するが、それ以上の金額を受け取っている人への支払いを2年間にわたって凍結する意向で、それ以外の恩典も見直すことを考えているとされていた。
 年金や恩給の凍結によって政府が節約できる金額は、21年がおよそ200億レアル、22年はおよそ400億レアルの計585億レアルとされている。経済省のスタッフはそれを財源の一部として、大統領が望む「レンダ・ブラジルで300レアル支払い」を実現させることを考えていた。2021年に国が社会福祉関連で支払う金額は7044億レアルが計上されており、年間予算のおよそ半分を占める見込みだ。
 これに対して大統領は、「年金生活者への調整を凍結するという発想は、年金生活者の生活実態がわかっていない証拠だ」として批判している。

 レンダ・ブラジルが報じられた通りに行われたと仮定した場合、全国に3500万人いるとされる年金その他の福祉受給者が2022年の12月まで調整なしとなる。この内、最低賃金にあたる金額を受け取っている受給者は2300万人だ。
 経済省は、最低賃金二つまでの給与労働者へのアボノ・サラリアルなどの廃止も検討していた。だが、大統領は既に、現在の恩恵は継続することを主張しているため、経済省のスタッフは新たな財源を見つける必要に駆られていた。新たな社会政策を22年の大統領選への売りにしたいと考えていた大統領にとって、レンダ・ブラジルの中止は不利な展開にもなりかねない。
 新型コロナウイルス対策として実施された緊急援助金の支出により、これまで票田として苦戦していた北東部の貧困層で、大統領支持率が上がっていた。それを減額して継続させるのが、レンダ・ブラジルだったからだ。
 この動画の発表の前、大統領はゲデス経済相をプラナウト宮に呼んで緊急会議を開き、レンダ・ブラジル中止について話し合ったという。大統領は経済省に対して、新たな物議を醸さぬよう、記者会見の類を行わないように頼んだともいう。
 ゲデス経済相はこれ以前にも、レンダ・ブラジル支給額をめぐって大統領から批判されることが度々あり、加えてロドリゴ・マイア下院議長からの受けも良くなかった。

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