2019年に行われた学力試験の結果、基礎・中等教育の全課程で学力が伸びたが、目標を達成出来たのは小学課程だけだった事が明らかになったと15、16日付現地紙、サイトが報じた。
全国一斉の学力試験は2年に1度行われ、小学校にあたる1~5年生と中学校にあたる6~9年生(基礎教育課程)と、高校にあたる中等教育課程の結果が、基礎教育開発指数(Ideb、0~1で表現)で表される。
小学課程の指数は5・8で、昨年の目標値5・7をクリアした。ただ、公立校は5・5の目標に対し5・7で目標を達成したが、私立校は17年と同じ7・1で、目標の7・4に達しなかった。全体で見た2年間の伸びは0・1で過去最小だった。21年の全体目標は6・0だ。
中学課程は5・2の目標に対して4・9で、17年の4・7より改善したものの、目標には届かなかった。公立校は5・0に対し4・6、私立校も7・1に対し6・4で、いずれも目標未到達だが、私立校は前回の指数と同じで、目標との差が広がった。21年の全体目標は5・5だ。
高校課程は目標5・0に対し4・2で、目標との差がさらに大きいが、17年は3・8だったから、指数の伸びは全課程の中で最大だ。公立校は4・6の目標に対し3・9、私立校は6・8に対し6・0で、どちらも目標には程遠いが、公・私立共に指数が伸びた。21年の目標は5・2だ。
教育は社会格差などが表れ易く、小学課程の場合、北部では、公立校が目標を達成出来た市は36・4%のみ。指数が来年の目標の6を超えた市立校も4・9%のみだ。他方、南東部では指数が6以上の市立校が73・9%ある。聖州では91・3%の市立校の指数が6を超えた。
また、セアラー州やアラゴアス州では、市立校が目標を達成出来た市が各々98・9%と92・1%あったが、アマパー、アマゾナス、マラニョン、リオ、ロンドニア、ロライマ、セルジッペ、トカンチンスの各州では過半数の市立校が目標を達成出来なかった。
中学課程では、公立校の指数が来年の目標である5・5を超えた市は631市のみで、その3分の1はサンパウロ州内にある。公立校の指数が3・4未満だった市は373市で、その28・7%はバイア州内にあった。
高校課程で来年の目標の5・2を超えた州立校は9・3%のみだ。州立校は高校課程の生徒数が最も多い。北部と北東部では、指数が5・2を超えた公立校は各々2・6%と7・6%だった。
州立校は全て、ポルトガル語と数学の双方で点数を伸ばしたが、州立校の指数が目標値を超えたのはペルナンブコ州とゴイアス州のみだった。また、高校課程は中退する生徒も多く、在校生の成績向上だけで、高校課程全体の教育の質が向上したと言う事は出来ない。
また、今年はコロナ禍に伴う休校措置や遠隔授業が導入され、対面授業再開の目途が立っていない州や学校もあるため、教育現場では今から、21年の指数にどんな影響が出るかを心配している。