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《サンパウロ州》森林火災が昨年同期の倍を超す=保護される動物の数も増加

サンジョアン・ダ・ボア・ヴィスタの火災現場(Defesa Civil do Estado de Sao Paulo)

 法定アマゾンやパンタナルでの森林火災ばかりが注目されがちだが、森林火災はサンパウロ州でも増えている。
 国立宇宙研究所(Inpe)のデータによると、サンパウロ州では1月から9月15日までに4293件の森林火災が記録された。昨年同期の火災は2020件だから、今年の火災件数は既に倍以上となっている。
 年末まで3カ月半を残しているが、今年の火災件数は既に、昨年の年間総数(3075件)を約40%上回っている。
 森林火災は通常、8~9月が最も多い。サンパウロ州では8月に、平年の平均の898件を大きく上回る1111件の火災が発生した。9月も15日間で1549件の火災が起きており、平年の月間平均の796件の倍近い。
 同州での森林火災は大西洋岸森林地帯とセラードの双方で増えている。火災件数の52%は大西洋岸森林地帯で、残りの48%はセラードで起きている。
 Inpe調査員のアルベルト・セツェル氏によると、昨年は南東部での雨が平年の平均降水量を上回り、森林火災の発生や拡大が抑制されたが、今年は2010年や2014年並みの少雨・干ばつで、大気が非常に乾燥しているため、森林火災多発が心配されていた。
 今年の森林火災は既に、14年の年間火災件数の4490件に迫る勢いで、同年以上の件数となる事は避けがたい。
 森林火災の最多発地帯は、サンジョアン・ダ・ボア・ヴィスタ、アグアス・ダ・プラッタ、ヴァルジェン・グランデ・ド・スルの3市があるセラ・ダ・パウリスタ地方だ。
 同地方では先週も大規模な火災が起きたが、ヘリコプターや農業用の小型機などを投入し、12日に一旦鎮火した。だが、13日にはアグアス・ダ・プラッタ州立公園に近い部分で再び火の手が上がった。

市街地に近い森林でも火災が発生(Prefeitura de Aguas da Prata)

 その他の地方では、環境保護区もあるヴァルゼア・パウリスタ地方セーラ・ダ・ムルサ地区で14日夜から、大規模な火災が起きている。州防災局によると、同地区では1両日で200平方メートルを焼失したという。
 ジュンジアイー市エンゴルダドウロ区では、煙による視界悪化により、アニャンゲラ高速道の車両の通行を繰り返し、禁じている。
 サンパウロ州では州内外での森林火災に伴う大気汚染も深刻で、汚染物質の層がぶ厚くなっている。通常なら汚染物質の層は上空1500メートルまでだが、14日は2800メートルに及んでいた。
 森林火災や焼き畑による火災件数の増加は、環境警察や消防が保護した動物や、火に囲まれて焼死したり煙にまかれて窒息死したりする動物、火から逃れようとしている内に高速道に出て、車にはねられたりする動物の増加も招いている。
 火災が多い州北西部で保護された野生動物は州全体で保護された動物の53%に及び、3~7月には1854匹(頭)が保護された。森林に近い民家や市街地に現れる動物も増えているという。
 南東部全体が少雨、高温である事もあり、森林火災はリオ州やミナス州でも増えている。(17日付エスタード紙、16日付G1サイト、15日付アジェンシア・ブラジルより)

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