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《ブラジル》失業者数が過去最多を記録=自粛規制緩和で求職者増加

 8月第4週のブラジルの失業者は1300万人以上となり、前週より100万人以上増加した。その理由は、外出自粛規制緩和が進み、経済活動が再開したことに伴う求職増加だと見られると、18日付伯字サイトが報じている。
 これは、18日に地理統計院(IBGE)が発表した、コロナ禍の影響をとらえることに限定した調査によって明らかとなった。それによると、8月23日から29日の失業者は1368万7千人で、前週の1261万4千人より107万人3千人ほど増えたという。IBGEによると、このような結果が出たのは、外出自粛規制の緩和が進んだ結果だという。
 それを裏付けるデータが、「厳密な社会的隔離を守っていた人の数」だ。感染拡大を避けるために自宅にこもり切っていた人は、8月第3週の4160万人から3890万人にと、1週間で6・5%減少したという。必要な時以外は出かけないという人や社会的隔離は守っていなかった人、人との接触は減らしたが、出かけたり人の訪問を受けていた人の数は、いずれも、ほとんど変わっていないという。
 これは、外出自粛規制の緩和に伴い、新たに職を求めはじめた人が多かったことを意味する。8月第3週から第4週にかけての1週間での「就業者人口」は0・7%落ちているが、その数は50万人ほどで、増加した失業者数の107万3千人とは開きがある。

 「コロナ禍による一時帰休者」の数も前週と比べて36万人減っている。一時帰休者が総就業者に占める割合は、前週の4・8%から4・4%に落ちていた。
 他方、非正規雇用者の数は、前週から30万人ほど増えて2790万人に達し、全就業者に占める割合も、33・4%から34%に上がった。非正規雇用者はコロナ禍の期間中の調整弁となった部分があり、時短・減給や一時帰休という形で雇用を維持しようとする政府の方針を受け、非正規採用者を正規採用扱いにして、政府からの補助金を得ようとした企業や、正規雇用者のみを残した企業など、対応が様々だったことが、非正規雇用者の推移にも影響している。
 だが、8月第4週の非正規雇用者の状況は、コロナ禍に限定した調査がはじまった5月第1週と比べると改善している。5月第1週の非正規雇用医者は3千万人、就業者全体に占める割合は35%だった。