24日、リオの選挙地域裁がマルセロ・クリヴェラ・リオ市長(共和者・RP)の職権乱用に関する審理を再開し、7対0で有罪判決を下した。これにより、同市長は2026年まで被選挙権はく奪(出馬無効)となった。控訴は可能だが、11月のリオ市長選への出馬は不透明になった。25日付現地紙が報じている。
この裁判は,クリヴェラ氏が2018年7月4日に持たれた、下議候補で同氏の息子のマルセロ・ホッジ・クリヴェラ氏と、リオ州議選に出馬したアレッサンドロ・コスタ氏の選挙キャンペーンに、市のごみ収集業者「コンルルブ」社の車や職員を大量動員したことを問われたものだ。
クリヴェラ氏は同時に、教会関係者を招いたイベントで、白内障と静脈瘤の手術を希望する信者に便宜を図り、土地家屋税で困っている牧師の相談にものると持ち掛けた後、やはり下議選に出馬し、補欠当選となったルーベンス・テイシェイラ氏への支援を呼びかけたことでも訴えられていた。
この裁判は21日にはじまり、その時点で6対1と、クリヴェラ氏の敗色が濃厚になっていた。だが、まだ未投票だったヴィットル・マルセロ・ロドリゲス判事が「票の見直し」を求めたため、結審が24日に持ち越されていた。
懸念されたのは、このロドリゲス判事が、クリヴェラ氏をリオ市長選で推薦しているボルソナロ大統領の推薦で判事になったばかりだったことだ。同判事は大統領長男フラヴィオ上議の恩師でもある。
そうした事情もあり、票の行方が注目された24日だったが、結局、票を覆す判事は現れず、ロドリゲス判事も「有罪」に票を投じた。この結果、7対0でクリヴェラ市長は有罪となった。
報告官のクラウジオ・ルイス・デロルト判事は、2018年から8年間の被選挙権はく奪と10万6千レアルの罰金を求めており、クリヴェラ氏は2026年まで選挙に出馬できなくなった。つまり、11月のリオ市長選挙には出馬できないことになる。
同市長には選挙高裁や最高裁への控訴が認められるため、「出馬無効」は最終決定ではない。だが、判事投票で「無罪」を支持した判事が皆無だったことは、クリヴェラ氏にとっては痛恨の展開となった。
これで、リオ市長選はかなり混沌の度合いが高まる。クリヴェラ市長は、最新の世論調査でも、元市長のエドゥアルド・パエス氏(民主党・DEM)に10%ポイント近くの差をつけられて2位と、かなり苦しんでいた。同氏としてはフラヴィオ氏、次男カルロス氏といったボルソナロ大統領の息子たちが所属政党のRPに移籍したことにより、巻き返しが期待できると目算していた。逆転出馬がかなったとしても、今回の判決は大きなダメージになりかねない。
だが、一方のパエス氏も安全ではない。それは、同氏にも収賄疑惑があり、選挙地域裁で被告となっているからだ。同裁が裁判を進めれば、先行き不透明感が増す。
なお、世論調査の第3位はベネジータ・ダ・シウヴァ氏(労働者党・PT)で、4番手をマルタ・ロシャ氏(民主労働党・PDT)と、夫婦とも州知事を務めたアントニオ・ガロチーニョ氏とロジーニャ氏の娘のクラリッサ氏(社会秩序共和党・PROS)が争っている。
リオ州では23日、リオ州議会がウイルソン・ヴィッツェル知事に対する罷免審理開始を満場一致で決めたばかりで、連日の激震となった。