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《サンパウロ州》今年も懸念される水不足=水位低下で不審沈没車15台も発見

水位が下がって出現した車の一部(16日付G1サイトの記事の一部)

 ブラジル中西部が50年に1度の干ばつと言われ、ブラジリアでは雨が降った後も湿度が10%との報道があるが、雨不足が心配されるのはサンパウロ州でも同様だ。
 サンパウロ州では主要な貯水池の水位が下がるなどの懸念材料も出てきているが、水位低下により、思いがけない所で15台近い車が出現。引き揚げ作業が始まった。
 問題の場所は、同州西部サウト・デ・ピラポラ市にある、現在は活動を停止している採石所だ。
 同採石所では石を切り出した後のくぼ地が池のようになり、水が溜まっていた。少雨と乾燥、近隣の市への水の供給のために水が利用されたのとで水位が低下し、池に水没していた車約15台が姿を現した。
 車が大量に出現と報じられたのは14日で、25日からは引き揚げ作業も始まった。市警によると、こんなにたくさんの車が水没していた理由は不明で、車盗難などの届け出もないという。

 25日は午前中に7台が引き上げられ、現場で簡単なチェックを行った後に回収車両などを保管する車庫に運ばれた。全ての車の引き上げが終了する日時は未定だが、28日までに車13台とバイク1台の引き揚げが終わった。市警は車庫に回収後、所有者などを特定する作業を行っている。
 水没していた車は、小舟で近寄った担当者がひっかけた鎖で岸まで引き寄せられた後に陸に引き揚げられた。どの車も座席などが外され、中は空っぽだという。警察では、保健詐欺を企てて保険をかけた後、部品類を外し、故意に車を水没させるという、犯罪行為が繰り返されていた可能性を疑っている。
 25日に回収された車の内、3台は既に、保険会社によって保険の対象になっていた事が確認されている。
 問題の採石場は地域にある民間のセメント会社の所有地だ。市役所によると、2012年に潜水夫2人が池の中から遺体で発見されるという事件が起きて以来、裁判所によって現場へのアクセスが禁じられていたという。(14、16、25、28日付G1サイトより)