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リオのカーニバル延期が正式決定=コロナ禍影響を怖れて=実施時期はワクチン次第

ヴィラドウロのパレード(Agência Brasil)

 「リオのカーニバル」がコロナ禍のために延期される事になったと24日付伯字紙サイトが報じた。
 エスコーラ・デ・サンバの代表達が24日に満場一致で決めたもの。21年2月のスペシャルグループのパレードは、日程未定のまま延期となった。代表達は、新たな日程は予防接種ワクチンの開発・承認次第との考えを表明している。
 「予防接種ワクチンが適用できる時期が明確ではなく、安全性を優先して、日程延期を決めた。エスコーラも2月開催には時間も資金も足りない状態だし、運営体制も整わない」という。
 各エスコーラ・デ・サンバが参加する独立リーグ(Liesa)ではパレードをキャンセルする事は否定。あくまで延期だ。だが「6月なら可能性があるのか」と訊かれたジョルジェ・カスタニェイラ会長が「一つの可能性だ」と答えたように今のところ代替日程はない。
 来年のパレードの時期は再来年のカーニバルにも無理が生じない日程でなければならないため、同リーグでは、今後数カ月をかけて日程を検討する予定だ。
 カスタニェイラ氏は、「予防接種ワクチンの治験やその後の承認の時期に関する可能性などを見極め、いつになれば、皆が安心してイベントに参加できるかを判断しなければならない。現在は異なった情報が流れているため、はっきりした日程は決めかねる。例年通りのパレードを行うには多大な時間がかかるため、今後も代替案を打ち出すための会合を重ねる」と同会長は言う。「カーニバルのパレードに依存している人や経済、文化面への影響も加味した回答を打ち出す」というのがLiesaの意向だ。

熱気に包まれたカーニバル会場(Cezar Loureiro/Riotur)

 予防接種ワクチン承認後も、一般市民が接種を受けられる時期はわからないため、パレードや山車の準備、練習、パレード時の観客席で社会的な距離を確保し、密着、密集を避けるのは困難との判断が働いている。
 例年なら9月はカーニバル準備の熱気がみなぎり始め、各エスコーラはパレードのテーマや曲の選定、練習など、諸準備に余念のない時期だ。だが、今年の場合、9月初旬のシダーデ・デ・サンバは人影もなく、あたかもゴーストタウンのようだったという。
 日程だけでなく規模にも変更が生じた場合、パレードの形態が変わる可能性もあり、今後の会合の行方が注目される。カルナヴァレスコのようにカーニバル関連の仕事で収入を得ていた人の中には、収入源を失って、友人や知人の助けを必要とする人達も出ており、先行きが見えない現状に不安や懸念が深まっている。
 リオ市のカーニバル延期は、大晦日の行事を無人で行う事と共に7月から検討されていた。サンパウロ市やサルバドール市は来年7月に、エスコーラ・デ・サンバとブロッコのパレードを延期すると決めている。