1959年に始まり、14~19歳の高校生が参加する数学五輪で、ブラジルが165ポイントを挙げ、参加105カ国中10位に入賞した。
ブラジルが数学五輪に参加し始めたのは39年前だ。今回は、金メダル1人、銀メダル5人という好成績で、日本やフランス、カナダ、ドイツといった国を上回る、史上最良の結果となった。
金メダルはペドロ・ゴメス・カブラル君(セアラー州フォルタレーザ)が、銀メダルはベルナルド・ペルーゾ・トレヴィゼン君(サンパウロ州サンパウロ)、フランシスコ・モレイラ・マシャード・ネット君(セアラー州フォルタレーザ)、ガブリエル・リベイロ・パイヴァ君(セアラー州フォルタレーザ)、ギリェルメ・ゼウス・ダンタス・エ・モウラ君(リオ州マリカー)、パブロ・アンドラーデ・カルヴァーリョ・バロス君(ピアウイ州テレジーナ)が獲得した。
金メダリストのカブラル君(19)は、2016年から五輪出場に向けた準備を始めた。国際五輪に初めて参加したのは2018年で、同年にはペルナンブコ州からセアラー州に転居した。フォルタレーザ市の学校の教師は数学五輪経験者で、どんな準備をすればよいかも適切に指導してくれた。初回は銅メダルだったが、翌年は銀メダル、今年は金メダルと、年毎にランクを上げてきた。
初回出場時から金メダル獲得が夢だったというカブラル君は、1日11時間勉強するに至った。数学は特に好きではなかったという。他の教科の五輪にも出場経験があり、初回の国際五輪に出た時以来、数学が自分に一番合っていると思うようになったという。
カブラル君はフランスの大学に進み、数学とコンピューターを学ぶという。現在はビデオでの遠隔授業を受けているが、10月にはフランスに行くという。
国際五輪出場者は国内五輪でメダルを獲得した後、3段階の選考テストと特訓を受けて本大会に臨む。引率者は、国内数学五輪コーディネーターで全国純粋・応用数学研究所(Impa)調査員のカルロス・グスターヴォ・モレイラ氏と、チェコ科学アカデミーのマテウス・セッコ氏だ。
モレイラ氏は、「彼らは、全国の学校からの参加者がせめぎ合う、厳格な選考過程で結ばれた」とし、「今回のメダル獲得で優秀な大学からの奨学金ももらえるだろうし、様々な分野で立派なキャリアをつめるだろう」と語る。
ブラジルは数学のレベルも高く、数学を利用する分野の研究も盛んだが、教育省が研究費を削減したりする中、若くて優秀な青年達の頭脳流出が起こる事も懸念している。全国の高校生の数学の平均レベルは国際評価で最後尾の10カ国に入るなど、差が大きいのも悩みの種だ。
なお、今年の上位10カ国は、中国、ロシア、米国、韓国、タイ、イタリア、ポーランド、オーストラリア、英国、ブラジルだ。(9月30日付、10月1日付G1サイト、同エスタード紙などより)