法務省が5日付連邦官報に、パンタナルでの消火活動に従事するための治安部隊(Força Nacional de Segurança Pública)を、マット・グロッソ・ド・スル州に派遣する旨を掲載した。
派遣期間は10月4日~11月2日の30日間で、必要ならば延長もあり得る。パンタナルには既に、9月24日から治安部隊所属の消防士40人が派遣されている。
治安部隊は防災局や環境警察、ボランティア、生物学者、獣医などと協力し、消火活動、焼け出された人への人道支援、野生動物への救急対応に従事する。今回の派遣には専用車両12台も含まれている。
同州とマット・グロッソ州にまたがるパンタナルでの森林火災は既に昨年1年間の総数を上回る勢いで増えている。同州政府が1日に発表した数字では、同州では9月27日までに140万8千ヘクタール、マット・グロッソ州では205万3千ヘクタールの計346万1千ヘクタール(3万4600平方キロ)を焼失した。この面積は2万7800平方キロのアラゴアス州を上回る。
マット・グロッソ・ド・スル州消防隊環境保護センターのヴァルデミル・モレイラ・ジュニオル氏によると、今年の異常乾燥と高温はパンタナルや地域全体に大きな影響を及ぼしており、焼失面積は昨年同期の155万9千ヘクタールの2倍以上となっている。
1月~9月30日までのパンタナルでの火災件数は1万8259件で、同期間中で過去最多だった2005年の1万2536件を大きく上回った。モレイラ氏によると、「今年は既に最多記録を更新したが、この傾向は10月も変わらない」という。同州環境・経済開発局長のジャイメ・ヴェルック氏も、「火災は関係者も驚く勢いで増えている」と語っている。
同州では少なくとも10月の前半は高温で乾燥した状態が続き、最高気温が新記録を更新する可能性が高いという。
極度の乾燥と高温は消火活動を困難にする。9月30日にヴェルック氏が州議会で行った報告によると、9月第4週は降雨もあり、カンポ・グランデ市~アグア・クララ市間の鉄道沿線の190キロだけで42件の火災が鎮火。9月25日には全州で19件まで減ったが、9月27日には再び1千件を超えたという。
モレイラ氏によると、マット・グロッソ・ド・スル州での火災件数(1~9月で9637件)は全国5位だ。同氏によると、1位はマット・グロッソ州の3万9918件、2位はパラー州の2万5397件、3位はアマゾナス州の1万4915件、4位はマラニョン州の9714件だ。
同州ではパンタナルだけでなく、市街地でも火災が増えている。ヴェルック氏によると、火災多発による気温上昇で、さらに火災が発生しやすくなっているという。
マット・グロッソ州政府は、同州でのパンタナル焼失面積は186万1千ヘクタール、火災件数もパンタナルの5859件を含む2万312件とし、マット・グロッソ・ド・スル州政府の数字を修正している。(1日、5日付アジェンシア・ブラジルより)