新型コロナウイルスによる外出自粛規制期間中に一般化したホーム・オフィスに関して、労働検察局が制限するべく動き始めたと5日付現地紙が報じている。
労働検察局は企業や労働組合に向けて、ホーム・オフィスに関する「17条の勧め」を発表した。その内容は、徐々に自宅での労働を離れて、感染爆発前の職場環境に戻っていくことを勧めたもの。通勤の交通事情などに関して注意は払いながらも、自宅を家族のプライバシーの空間を戻していき、企業を労働の場所に戻していくことを説いている。
同検察局のアルベルト・バザレイロ氏は「労働と休息を切り離す必要がある。労働者の精神上の健康を確認する機会を失わせるわけにはいかない」と、「デジタル・エチケット」と呼ばれる今回の発表を行った経緯を話した。このデジタル・エチケットが「雇用側と労働者側の、コロナ以降の新しい現実における理想的な関係について記したもの。これが守られないと、労働者に対して新たなる精神的苦痛が与えられていくことになる」とする。
だが、サンパウロ総合大学のジョゼ・パストーレ教授は、今回の労働検察局の「デジタル・エチケット」に関して、「労働者を助けるよりも混乱させる内容」と批判し、「すべてを法制化できるものではない」と語っている。
弁護士のクレベール・ヴェンディッティ氏も「テレワークに関しての規定は2017年におおかた定められているが、今回の労働検察の対応は、その規定を満たさない時代遅れのもの」と酷評している。
労働裁判所のイヴェス・ガンドラ・マルチンス・フィーリョ判事も「遠隔作業は労働検察のように十把一絡げに定義されるべきではなく、各雇用者と労働者のそれぞれのケースに委ねられるべきだ」との見方を示している。