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《ブラジル》コロナ禍が観光業を直撃=約5万社が廃業、雇用も激減

航空業界もコロナ禍で大きな影響を受けている(Arquivo/Tania Rego/Agencia Brasil)

 全国財・サービス・観光商業連合(CNC)によると、観光業界ではコロナ禍により、3~8月に4万9900の店舗や営業所が廃業に追い込まれ、雇用が大きく落ち込んだ。3~9月の損失は2078億5千万レアルに達したと発表したと3、5日付現地紙サイトが報じた。
 廃業したのは、レストラン、バー、旅行会社、ホテルその他の宿泊施設などだ。飲食店は3万9500カ所、ホテルなどは5400カ所、バスなどの陸上輸送機関は1700カ所が廃業した。会社数はパンデミック前より16・7%も減った。
 コロナ禍の影響は規模が小さいところほど深刻で、零細企業は2万9200社、小規模企業は1万9100社が廃業した。州別では、サンパウロ州で1万5200社、ミナス州で5400社、リオ州で4500社、パラナ州で3800社が廃業している。
 3~9月の収益は2078億5千万レアル減った。外出自粛の緩和で多少は回復しているが、それでも、平年同期の26%程度の収益しか挙げられていない。3~7月の月間収益を1~2月と比較すると、56・7%落ち込んだという。

 他の業界の減収率は、小売販売が1・6%、工業生産が5・6%、サービス業全体も13%だから、観光業の落ち込みの大きさが推察できる。
 廃業や営業規模の縮小は雇用にも影響し、正規雇用者数は48万1300人分純減した。この数はパンデミック前の正規雇用者の13・8%に相当し、労働市場全体でも2・6%雇用が減った。
 正規雇用者の減少が目立つのは、旅行会社関連の1万8500人(26・1%)や宿泊業関連の7万9900人(23・4%)などだ。