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《ブラジル》大統領三男が反民主主義行為の首謀者?=フロッタ下議が連警に証拠提示=発信元のIPアドレス一致

エドゥアルド下議(Wilson Dias)

 ボルソナロ大統領関係者を中心とした「反民主主義的行為」疑惑に関して捜査を進める連邦警察に対して、アレッシャンドレ・フロッタ下議(民主社会党・PSDB)が、大統領三男のエドゥアルド下議(社会自由党・PSL)のコンピューターからこの情報が発信されていた証拠を提出していたことが明らかになった。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
 この件はフォーリャ紙が6日に第一報を報じたもので、グローボ局も同日夜、反最高裁・反連邦議会をうたった「反民主主義的行為」に対する捜査に関するフロッタ氏の供述内容を入手したと報道している。
 フロッタ氏が9月29日に連警で行った供述と連警に提出したデータによると、エドゥアルド氏が「反民主主義的行為」に関与し、関係者を指揮していたことなどを示す情報は、エドゥアルド氏や彼の側近らに関連する住所にあるコンピューターから発信されていたという。
 エドゥアルド氏自身のコンピューターは、リオ市パスツール大通りにあるエドゥアルド氏のアパートにあるものと、エドゥアルド氏が現在住んでいるブラジリアのジャルジン・ボタニコにある家屋のそれで、種々の情報がこれらのIPアドレスから流されていたという。
 また、そのコンピューターのユーザーがログインする際のメールアドレスも、エドゥアルド氏が2018年の下院議員選挙の際に申請し、下議として公式に使用しているものと同じだという。
 最高裁や連邦議会、ロドリゴ・マイア下院議長や特定のジャーナリストを攻撃してデモを煽っていた「ボルソフェイオ」サイト(現在休止中)が、連警の捜査ではもっとも問題視されている。
 このサイトが、下院内で使われているコンピューターを使って創設・運営されていたこと、そのサイトのユーザーがエドゥアルド氏の側近が使っている電話を使って登録、ログインしていたことは、フェイスブックがフェイクニュースに関する連邦議会の両院合同調査委員会(CPMI)に提出した資料ですでに判明している。

 さらに、供述の中でフロッタ氏は、大統領次男のカルロス氏も、この件に関与しているとの証言を行っている。
 フロッタ氏によると、連邦政府内にあると言われる「憎悪部隊」が、連邦議会や最高裁と軍との関係を狂わせるような憎悪を焚きつける行為を始めていたという。このことも、フェイクニュースに関する連邦議会のCPMIで、調査、報告されている。フロッタ氏はこのCPMIのメンバーだ。
 フロッタ氏はさらに、4月に行われた陸軍本部の前での反民主主義デモや、6月の最高裁に向けての花火発射事件を指揮したのは、オトニ・デ・パウロ下議(キリスト教社会党・PSC)の側近と思しき男性との供述も行っている。フロッタ氏によると、オトニ下議は、その男は知っているが、自分の側近ではないと言っているという。
 現在は、連邦警察が5月から「反民主主義行為」に関する捜査と並行して行っている「フェイクニュース捜査」に関しても、関心が高まっている。
 二つの捜査の対象者は、大統領支持者の企業家らが中心で、選挙高裁が昨年、選挙に出馬した候補や一般国民に大量のSNSメッセージを送ることを禁じたにもかかわらず、今も送り続けていることが判明している。
 このグループへの関心が高まっているのは、市長・市議選が近づいているためだ。それは、18年の大統領選の際にボルソナロ陣営が行ったとされる、特定企業によるワッツアップでのフェイクニュース大量拡散が繰り返して行われる可能性があるためだ。5日付フォーリャ紙サイトによると、市長選に関して、既に規定を破って虚報を大量投下したり、携帯電話の番号などの情報を売りつけている企業が存在するという。