世界保健機関(WHO)は13日、ブラジルでのコロナ感染が減速傾向にあるとの見解を表明した。ただし、ブラジルの感染者や死者は今も高どまりの状態にあり、12日の感染者は510万3408人、死者も15万689人に達している。
WHOの見解は13日付のTVニュースなどで報じられたが、この発言は感染学上の週毎に見た感染者や死者が3週連続で減少している事でも確認できる。ブラジルの新規感染者数は、9月6~12日(第37週)に30・4%減少したが、38週は10・3%増えた。だがその後は、第39週10・7%、第40週0・5%、第41週6・9%と3週連続で新規感染者数が減っている。
それでも、最初の感染者確認から225日目の今月7日は感染者が500万人に達し、12日には510万人も超えた。また、第41週の新規感染者は17万5804人で、1日平均2万5115人増えている。
一方、死者も第37週に新規増加数が12・8%減った後、第38週に0・3%増加。以後は第39週8・4%、第40週0・6%、第41週8・1%と3週連続で前週比減を記録した。
死者数が15万人を超えたのは、15万198人に達した10日だ。第41週の新たな死者は4211人で、1日平均601人まで減少した。
だが、1日平均の感染者は5月31日~6月6日(第23週)の2万4915人、死者も5月3~9日(第19週)の558人を上回っている。
また、10日現在の州別死亡率(人口100万人あたりの死者数)を見ると、1132人の連邦直轄区と1117人のリオ州、1106人のロライマ州、1037人のマット・グロッソ州、1022人のアマゾナス州、1千人のセアラー州が大台を越えていた。
一方、13日付フォーリャ紙は、非正規雇用者の割合が10%ポイント増える毎に、その市の感染率は29%、死亡率は38%高くなるとのリオ連邦大学とフランスの調査開発研究所の共同研究の結果を掲載。雇用が不安定な非正規雇用者ほど、感染の危険を冒して外出して感染し、犠牲となった事が明らかになったと報じた。
さらに、18年の大統領選の投票率を加味した分析では、ボルソナロ氏への投票率が10%ポイント上がる毎に、感染率が11%、死亡率が12%上昇。大統領支持者達が「感染を怖れずに外に出よ」などの呼びかけに応じてデモなどに参加した結果、感染したり死亡したりした人が増えた事も明らかになり、研究者達を驚かせたと報じた。