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《ブラジル》パンタナル「象の聖地」にも火災が及ぶ=象5頭が安全な場所に避難

聖地に棲む象のレイディ(10日付G1サイトの記事の一部)

 ブラジル中西部マット・グロッソ州の州都クイアバから65キロのシャパーダ・ドス・ギマランエスには、ラテン・アメリア唯一の「象の聖地」があるが、森林火災が多発し、聖地の一部も延焼したため、象5頭が安全な場所に移された。
 「象の聖地」を脅かす火災は、聖地の近隣の地所で9日に発生。地元の消防士やボランティアなども含む消火隊が懸命に鎮火を試みたが、背の低い木が多く、延焼の可能性は低いとの予想に反し、「象の聖地」の北部にも火が及んだため、獣医が措置を施したりするために確保されている2ヘクタールほどの場所に象が移された。
 「象の聖地」の関係者は、違法な土地利用と風向きの変化が消火作業を困難にしたと見ている。
 関係者達は、象の状態は良く、火災に伴う臭いや煙、生活環境の変化などによってストレスを受けている様子は見られないという。

「象の聖地」(Santuario de Elefantes/Divulgacao)

 シャパーダの「象の聖地」は地理的な条件などを考慮して選定された世界で7番目の聖地で、3年前から機能している。ここで生息しているのはサーカスで虐待されていた象で、昨年の6月と12月に各1頭が死亡したが、現在もアジアゾウ5頭が手厚い保護を受けている。
 ブラジル南東部では10月後半は雨が多く、2週間で月間平均降水量に相当する雨が降ると見られているが、中西部では南東部ほどの雨は望めないようだ。
 10月1~14日のパンタナルでの森林火災は2536件で、同期間としては2002年の2761件に次ぐ多さとなっている。
 なお、世界自然保護基金(WWF)ジャパンサイトによれば《野生のゾウは現在世界にアフリカゾウとアジアゾウの2種が知られています》とあり、南米大陸に野生種は生息していない。(10日、15日付G1サイト、14日付クリマテンポより)