14日、ロライマ州ボア・ヴィスタで行われた連邦警察の機密捜査の際、家宅捜索された上院の連邦政府副リーダー、シコ・ロドリゲス上議(DEM・民主党、ロライマ州選出)は、警察の目からごまかすためにパンツの中に現金3万レアル(約56万円)を隠していたと15日付エスタード紙が報じた。
この捜査は、新型コロナウイルス対策の公的資金の流用に関するもので、家宅捜索と押収令状は、最高裁(STF)のルイス・ロベルト・バローゾ判事によって承認されていた。
同紙が二つの情報源に確認したところ、捜査時に上議がパンツの中に3万レアルを隠していたことや、自宅で発見された金の総額は10万レアルに達することが確認された。この金は水増し請求された約100万レアルの一部と見られている。
機密捜査であるため、連邦警察の公式発表では、「議会の予算案の修正で生じた公的資金の流用を目的とした犯罪計画をあばくためのもの。7件の家宅捜索と押収令状が執行された」とだけ公表されていた。
同件の捜査にも協力した国庫庁(CGU)によると、ロライマで実施されたこのDesvid19作戦は、「不正入札による公金の横流し」を摘発するためのものだ。CGUによると同州保健省が結び、不正が疑われている契約には、新型コロナウイルス対策費約2千万レアルが投じられている。
同上議は、上院において連邦政府を代表して議員らと交渉して票まとめをする役職のナンバー2であり、政府側の要職といえる。
そのような人物も標的とされたこの汚職摘発作戦は、大統領が汚職に関与した者の「首を飛び蹴りしてやる」と発言したのと同じ日に行われた。また、大統領が「ラヴァ・ジャット作戦は私が終わらせた。なぜなら、この政権には汚職がないから」と断言して波紋を呼んでから、わずか1週間後のことだった。
同上議の補佐官には、大統領の息子のいとこのレオ・インジオ氏がいる。同氏は、大統領府に出入り自由の大統領次男カルロス氏と懇意なことで知られている。
ロドリゲス上議は捜索後に公表した釈明文の中で、「清廉な過去と正しい生活」を送っており、スキャンダルに関与したことは一度もないと述べた。「私は人の正義と神の正義を信じている。ロライマの首都ボア・ヴィスタにある自宅で今日起こった事実を落ち着いて受け止めている。連邦警察は私の名が含まれた捜査をするという役割を果たした。しかし、上院議員として国民の健康を守る仕事をする中で、新型コロナウイルス対策資金を単に自宅に持ってきていただけで、家宅捜索された」とし、汚職ではないと弁明した。
ロドリゲス上議は30年以上の政治生活で、自身のイメージを傷つけるための「多くの悪意のある人々」に出会ったと述べた。「州都ボア・ヴィスタでの選挙のように、問題を抱えた選挙期間にはさらにそうだ」と彼は言いきった。
同上議は2014年4月からロライマ州知事を務めていたが、同年12月にフィッシャ・リンパ裁判(出馬適合判定)で不可となり、資格を剥奪されていた。当時はブラジル社会党(PSB)所属。その後、DEMに移籍して2018年の選挙に出馬し、現職に当選していた。