ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ボリビア大統領選》左派・アルセ氏の当選確実=極右勢力による動乱の1年後

《ボリビア大統領選》左派・アルセ氏の当選確実=極右勢力による動乱の1年後

18日のアルセ氏(Twitter)

 18日に行われたボリビアの大統領選は、正式な開票結果が出ていない。だが、出口調査の段階で、左派候補のルイス・アルセ氏が一次投票で圧勝と伝えられ、対立候補らが敗北を認める事態となっている。19日付現地紙サイトが報じている。
 今回の大統領選は、昨年11月に行われた大統領選で、選挙高裁が「エヴォ・モラレス氏が一次投票で4選を決めた」と発表したところ、エヴォ陣営の不正を強く疑う国民が荒れて暴動を起こし、エヴォ氏が亡命する騒ぎとなったことを受けた再選挙だ。昨年の大統領選とその後の暴動では、極右支持者たちがエヴォ氏の肉親や知人の家を焼いたり、エヴォ氏の票田となっていた先住民たちへの暴力行為まで起きたりして、国際的に問題視された。
 同国はその後、ヘアニネ・アニェス上院議員を大統領代行として行政を行い、20年に正式な大統領選を行うことを約束していた。この選挙では保守派のアニェス氏も正式な大統領になるべく出馬を志していたが、同氏の政治手腕は国民の支持を得ることができず、保守派同士の票が割れるのを避ける意味で出馬を断念していた。

 大統領選は、エヴォ氏所属の左派政党「社会運動」の候補のアルセ氏と、19年の選挙で次点だった中道右派のカルロス・メサ氏の争いとなったが、18日の選挙当日に複数の世論調査機関が行った出口調査で、アルセ氏が52%の支持を獲得していたことが報じられた。同国の選挙では、得票40%で、2位以下に10ポイント以上の差があれば、一次投票での勝利が認められる。
 こうしたこともあり、開票16%の時点でアニェス大統領代行がアルセ氏の当選を認め、数時間後にメサ氏も敗北を認めた。
 南米では昨年後半、右派政権の政治に反抗した民衆デモがチリやコロンビア、エクアドルで起こり、アルゼンチンの大統領選で左派のフェルナンデス氏が当選するなど左派巻き返しの機運が強まっていた。また、ボリビアでは長期左派政権に対する極右勢力からの動乱が起こっていたが、結局、1年で左派政権が戻ることになりそうだ。チリでは18日、長期化した歴史的デモ勃発1周年を記念したデモが行われた。デモの大半は平和裏に行われたが、一部の参加者が暴力行為に出たため、580人の逮捕者が出た。