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世界銀行=ラ米の経済回復遅れると予想=ブラジルのリクスはやや低め?

 世界銀行が、ラ米・カリブ海諸国はコロナ禍の影響が大きく、経済活動の回復は遅れるとの見通しを発表したと18日付ブラジル国内サイトが報じた。
 ラ米・カリブ海経済委員会(Cepal)によると、今年のラ米・カリブ海地区の国内総生産(GDP)の成長率はマイナス7・9%で、過去最大の経済危機だという。
 ラ米・カリブ海の経済が専門のアブイジチ・スリア氏によると、チリやウルグアイなどは回復が早いが、様々な問題を抱えている国は、経済の回復も2023年か24年に持ち越されるという。
 コロナ禍が収束しておらず、予防接種の実用化の時期も不明な中、各国の経済活動が回復する時期の予測は困難だ。多くの専門家が使うのはGDPで、ラ米諸国のそれは21年から成長に転じ始めると見られている。だが、地区全体のGDPがパンデミック前の水準に戻るのは早くても23年と見られている。

 スリア氏によると、ブラジルの緊急支援金支給、チリやコロンビアによる中銀による公的債権購入といった政策は、経済活動再開のために役立つ。
 ただしコロナ禍が長引き、これらの政策を継続する必要が生じているが、それをいつまで維持できるか、または維持すべきかは誰にも予測できない。
 現在は、短期支援として採用された政策を中長期的支援として見直す必要が生じている上、GDPの落ち込みや公的債務の大きな国は、支援政策継続が困難だからだ。
 アナリスト達は、ブラジルは公的債務がGDPに占める比率が91・5%でラ米で2番目に高く、9月に出た経済省の予測での財政赤字も8610億レアルと大きいが、GDPの落ち込みは5・4%と比較的小さい事などから、他の国よりもリスクは小さいと見ている。