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《ブラジル》コロナ禍=大学の授業料滞納が激増=42万人が中途退学や休学?

卒業まで半年で退学を余儀なくされたブルーナ・オリヴェイラ・パルメリムさん(19日付エスタード紙電子版の記事の一部)

 高等教育機関メンテナンス担当者の組合(Semesp)によると、今年上半期の授業料滞納者は全体の11%に上り、昨年同期比で29・9%増えた。また、中途退学者や休学者も14%増えたと19日付現地紙、サイトが報じた。
 Semespのデータは全国53の高等教育機関を対象に集計したもので、休学または退学の手続きを取った学生や、後期からの受講を諦めた学生は42万3千人に上るという。
 サンパウロ州の授業料滞納者は10・1%で、昨年同期より47・7%増えた。また、休学者や退学者も昨年同期比で18・7%増えている。Semespのロドリゴ・カペラト氏によると、滞納者や退学者が急増したのは4~5月だったという。ブラジル全体の授業料滞納者は11%だ。

 また、ブラジルでは後期から受講を開始する新入生が約30%いるが、後期から受講し始めた新入生は例年より19・8%少ない。非通信制コース生の減少率はより高く、38・2%減った。授業料滞納者は通信制の方が多いが、滞納者の増加率は非通信制が33・1%で、より高いという。
 私学の学生の9割はC~Eクラスで、新型コロナの感染拡大により、失業や一時帰休、時短・減給となって所得が減り、高額な授業料を納める事や学籍維持が困難になった学生や、遠隔授業の時間が仕事と重なるなどの理由で諦めざるを得ない学生が急増したのだ。 
 Semespでは、後期から受講を開始した学生の入学率は89・7%で、昨年を2・6%下回るだけで済んだ事と、来年からは対面授業も再開する事から、来年は状況が好転すると見ている。

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