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英ワクチン=ブラジル人治験者死亡で波紋=偽薬接種組と判明、続行

ブラジルでの報道(Twitter)

 21日、リオ市で新型コロナウイルスに対するワクチンの治験に参加したブラジル人ボランティアが死亡したとの報道が流れて、一時波紋が広がった。その後、亡くなった人は偽薬を接種されていたと報道され、治験は続行されている。この臨床試験(治験)は、ワクチン接種組と偽薬接種組の効果を比較する形で行われている。22日付現地紙、サイトが報じている。
 亡くなったのは、アストラゼネカ社とオックスフォード大学が共同で開発していた英国ワクチンの治験に参加していた28歳の新任医師で、コロナ感染症の合併症で15日に死亡した。
 同ワクチンは、連邦政府がすでに購入契約を行っているもの。ボルソナロ大統領が中国製のコロナバック購入を強行に拒否した後も、このワクチンの購入解約の意思は表明していなかっただけに、治験者死亡の報道は注目度が高かった。
 この医師は7月から治験に参加。コロナ感染症患者に対応する中、自らも9月に感染したという。

 この報道が行われたのは21日の13時過ぎで、この時点では「ワクチンが原因で亡くなったのかは定かではない」との報道だった。だが、午後7時頃に行われた報道で、この治験者がワクチンによる副作用で亡くなっていたのではなく、偽薬を投薬された後にコロナ感染症に罹患して亡くなったと報じられた。
 治験者が死亡したことは、19日に国家衛生監督庁(ANVISA)に報告され、第三者による委員会が治験継続を決めたことなども連絡を受けている。同庁では今後も、治験の経過を観察する意向を表明している。
 治験者死亡がワクチン副作用と無関係だったことで、アストラゼネカ社とオックスフォード大学の研究者や、協力を行っているサンパウロ連邦大学のチームらは、「この件で研究を止める必要はない」として、治験を続行している。
 このワクチンに関しては、9月8日にも、イギリスでの治験者に「重大な副作用が出た」として、治験が一時的に中止されたが、4日後に治験を再開したという経緯がある。