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《ブラジル》市長選世論調査=サンパウロ市でルッソマノ急落=コーヴァスが抜いて首位に=リオでは2位争い激化

ルッソマノ氏( RP )

 22日、全国市長選の主要都市での世論調査の結果が発表された。サンパウロ市では支持率1位だったセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)の支持率が急落し、現職のブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)に抜かれた。リオでは2位のマルセロ・クリヴェラ市長(RP)に2人の候補が肉薄する事態となっている。23日付現地紙が報じている。
 サンパウロ市市長選では、8日の同調査で27%の支持率を誇っていたルッソマノ氏が、一気に7%ポイント支持率を急落させ、20%まで落ちた。これにより、支持率を21%から23%にあげたコーヴァス市長が逆転して首位に立った。
 ルッソマノ氏は前回調査後、「路上生活者は風呂に入らないからコロナには強い」という発言をしたのが響いた。同氏は以前から、消費者を保護するテレビ番組のコーナーに出演して、貧困層からの強い支持を得ていた。だがこういった発言をするとすぐに支持を失う。
 ルッソマノ氏は過去2度の同市長選でも、一次投票直前に支持率が急落する傾向があったが、早めの急落となった。同氏はボルソナロ大統領とのつながりを強調しているが、それが拒絶率を高めた面もある。
 コーヴァス氏はコロナ対策が高く評価されており、支持率上昇にもつながった。ただし、現時点での両者の差は誤差の範囲内で、予断を許さない状況だ。

 3位はギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)が、選挙放送の時間の短さにも関わらず、支持率を12%から14%に上げた。前サンパウロ州知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)も8%から10%に支持率を上げた。
 人気ユーチューバーのアルトゥール・ド・ヴァル・サンパウロ州議(パトリオッタ)が、支持率を3%から4%に上げて5位。これまで低支持率だったジルマール・タット氏(労働者党・PT)とジョイセ・ハッセルマン下議(社会自由党・PSL)が、豊富な選挙放送時間を得て、それぞれ、支持率を1%から4%と3%にようやく上げ、6位と7位に入った。
 一方、リオ市長選はエドゥアルド・パエス元市長(民主党・DEM)が支持率を30%から28%に下げたが、2位のクリヴェラ市長も14%から13%に微減した。その一方で、マルタ・ロシャ氏(民主労働党・PDT)の支持率が10%から13%に上がってクリヴェラ氏に並んだ上、ベネジータ・ダ・シウヴァ氏(PT)も8%から10%に上がっており、2位争いが熾烈になってきた。クリヴェラ氏もボルソナロ大統領の支持の効果が現れていない。
 ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテでは現職のカリル市長(社会民主党・PSD)が60%の支持を得ており、一次投票で当選の勢いだ。パラナ州クリチーバでも、現職のラファエル・グレカ氏(DEM)が46%で2位以下を寄せ付けていない。
 ペルナブッコ州レシフェでは、14年大統領選で飛行機事故死したエドゥアルド・カンポス氏の長男ジョアン・カンポス氏(PSB)が31%の支持を得て首位。ジョアン氏の叔母マリリア・アラエス氏(PT)が18%で追っている。

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