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《サンパウロ州》蚊対策にNASA製機械=ピニェイロス川で試験運用中

ピニェイロス川沿いに設置された機械(Divulgacao/Emae)

 サンパウロ州のメトロポリタン水とエネルギー公社(Emae)が、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した機械を使った水辺の蚊対策を試行している。
 サンパウロ市西部を流れるピニェイロス川のウジナ・サンパウロ(旧ウジナ・デ・トライソン)の傍に5日に設置された機械は、人の体温と同じ位の温度で誘い寄せた蚊を吸引するもので、1日に3千匹の蚊を捕らえる事が出来ると期待されている。同社では近日中に機械を回収し、効果を確認する予定だ。
 Emaeによると、この機械は、船では届かない場所を飛び交う蚊も捕らえる事が出来るからより効果的な上、人海戦術で蚊を退治するよりコストが安く済むという。

 ピニェイロス川周辺は毎年、蚊が大量に発生するが、ここ数年間は、殺虫剤を散布するなどの対策が滞っていた。苦情が特に増えたのは、9月になって高温の日が続き、例年より早く蚊が発生しやすくなった時期で、地区住民が1万7300筆の署名を集め、有効な対策を講じるよう要請していた。
 Emaeは2019年から、ピニェイロス川の汚泥や固形廃棄物、水生植物の除去などを担当する公社で、これまでに除去した堆積物は、24万595立方メートル(トラックに換算すれば1万5千台以上)に及ぶ。川面に浮かぶゴミも、1万2千トン以上を回収している。(26日付アジェンシア・ブラジル、27日付G1サイトより)