ブラジルの伝説的ロック歌手、レナト・ルッソの未発表音源を違法に売ろうとした人物に対する捜査が行われ、30曲分の未発表曲が警察に押収された。27日付現地紙が報じた。
捜査対象となったのは、1996年に死去したレナトが晩年使っていたリオ市のスタジオだ。リオ市警は26日、レナトの息子ジュリアーノ・マンフレディーニ氏が1年ほど前から行っていた要請を基にした捜査で立ち入った。
そのスタジオの持ち主でレナトの晩年の仕事仲間だったプロデューサーは、かねてから「未発表音源は存在しない」と主張していたが、未発表曲などを違法に流していたことに気づいたジュリアーノ氏が告発していた。今回の捜査では、すでに発表されている曲の別バージョンなど30曲分が存在していたことがわかった。
レナトはブラジルの音楽史上、もっとも成功したバンドともいわれる「レジオン・ウルバーナ」(Legião Urbana )のリーダー。死後も作品が売れ続けている他、伝記映画も作られてヒットするほど、国内では根強い人気を誇っている。今回の捜査「セラ作戦」も同バンドの初期の代表曲に由来している。