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新型コロナの抗体は長持ちしない?

政治的な対立にも発展した中国製のワクチンを手に、上院で説明するドリア聖州知事(Governo de São Paulo)

政治的な対立にも発展した中国製のワクチンを手に、上院で説明するサンパウロ州のドリア知事(Governo de São Paulo)

 新型コロナのワクチン購入問題で政治的な対立も起きる中、英国の研究機関二つが新型コロナの抗体の継続期間に関する研究結果を発表した。
 インペリアルカレッジが6~9月に36万5千人を対象に行った調査によると、抗体保有者の割合は6%から4・4%にと26・5%減少。他のコロナウイルス同様、抗体は長持ちしない可能性があるといえる。
 『ネイチャー』誌に出たキングスカレッジの研究では、95%の人は発症から8日以上経つと抗体を持ち始めるが、その量は時間と共に減る。減少の度合いは症状の重さに関係があるともいう。

 無症状者や軽症者は抗体が弱いとの説はかなり前に流れたし、繰り返し感染する人がいる事も知られている。これらの事は、ワクチンが開発されても、インフルエンザのように繰り返し接種する必要が生じる可能性や、一度感染したからと注意を怠れば、再び感染する可能性を示唆する。
 世界保健機関や保健省が感染した人もマスク着用や手洗いなどの継続を求める理由を裏付ける報告が続いた事は、感染した人などは予防接種を受ける必要がないとし、予防接種義務化に反対するボルソナロ大統領の主張への疑問を強める。「なぜワクチン開発を急ぐのか」との大統領発言も、抗体保有者が予防接種反対派をなだめようとした発言と言われそうだ。
 サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は義務化宣言時、医師が診断書を出した人などは除くと明言した。専門家が政治的対立は防疫上の対策の遅れを招くと警鐘を鳴らす中、抗体の継続期間への疑問は改めて、犠牲者増加を防ぐために1日も早いワクチン開発・接種をと願う科学者達の背中を押しそうだ。(み)