新型コロナウイルスの感染拡大で最も影響が大きかった業界の一つ観光業界を支援するため、観光省が2万6千を超える零細・小企業向けの融資資金として20億レアルを解放する事を決めた。
この支援金は、一般観光基金(Fungetur)に参加している金融機関を通じて利用される。今回解放された金額は、2018年に提供されたクレジット総額(2億8640万レアル)の約7倍にあたる。同基金にはこれ以外にも、観光業界支援のための資金が30億レアル用意されている。
連邦政府は今年、同基金以外のルートでも利用できるクレジットとして、観光サービス業界用に109億レアルを提供してきた。企業家の口座に振り込まれてきた資金は、ブラジル銀行や連邦貯蓄銀行、社会経済開発銀行(BNDES)、ノルデステ銀行、アマゾニア銀行が解放したものだ。
昨年来、一般観光基金や公立銀行を通じて提供されたクレジットの内、観光業界の支援や後押しのために連邦政府が提供してきた金額は200億レアルを超えている。この80%は既に企業家達の口座に振り込まれており、残りの20%も、観光業界からの要請があり次第、払い出せるように準備されている。
新型コロナのパンデミックが始まった事で、観光業界は億単位の損失を被って来た。3月の場合、観光業界の収益は昨年同月より16・7%減少した。これは、同月だけで22億レアルの減収だった事を意味する。
全国財・サービス・観光商業連合(CNC)によると、観光業界では3~8月に、大小合わせて4万9900社が閉店、営業停止などに追い込まれた。CNCによると、3~9月の減収額は2078億5千万レアルに上るという。(5日、28日付アジェンシア・ブラジルより)