地理統計院(IBGE)が30日、8月締めの変則四半期での失業率を発表し、2012年の統計開始以来、最悪となる14・4%を記録し、就業者数も最小記録を更新したと発表した。30日付現地紙サイトが報じている。
20年6―8月の変則四半期の失業率は、その前の変則四半期(3―5月)と比べて1・5%ポイント(P)上昇して14・4%となった。前年同期との比較では2・6%Pの上昇となった。
今回の上昇率は、ヴァロール・データという調査団体が28の専門団体を対象に行った調査での平均予想失業率の14・2%をも上回った。
就業者の総数はこの3カ月間で430万人減少し、失業者の総数が1380万人になった。この数は3―5月期の8・5%増となる。
6―8月の四半期は、失業率が過去最高となっただけでなく、就業者総数、就業率が共に過去最低を記録した。就業者の総数はこの3カ月間で5%減少して8170万人となった。就業率も3―5月期より2・7%P下がって46・8%となっている。
「仕事探しをあきらめた人」の数は590万人となり、3―5月期より8・1%増、昨年同期比で24・2%増と急増傾向にある。
この3カ月間で失われた430万件の雇用のうち、半分が労働手帳を介した正規雇用者だった。
雇用喪失分を分野別で見てみると、「車販売や修理」で75万4千件、「公務員、治安、教育、保健関係」で74万件、「宿泊施設や飲食店」で66万1千件の雇用が失われている。唯一、雇用が増えたのは「農牧業」の22万8千件だった。
一方、非正規雇用者の数も3―5月期比で5%減、前年同期比で25・8%減で、非正規雇用者の総数も過去最少を記録した。家庭内労働者の数も460万人と、過去最少となっている。
過去1年間で見ると1200万件の雇用が失われたことになった。内訳で見ると、正規労働者が397万5千人、非正規労働者が304万1千人、自営業者が277万3千人、職を失っている。
今後の予測だが、景気が上向く兆候は見られるものの、雇用に反映されるには時間がかかるため、失業率はさらに上がる傾向にあるという。
アナリストたちは、緊急支援金の支給額が半減され、年末には支給が打ち切られることで、職を探す人が増えていることが、失業率がより高まった理由と見ている。失業率は、就労が可能な年齢で、仕事を探しているが、職に就けずにいる人の数で算出されているからだ。
なお、29日に発表された全就労・失業者台帳(Caged)のデータによると、9月の雇用は31万3564件の純増となっている。