【既報関連】ブラジル人の食卓に不可欠な米などを中心とする食料品の値上がりと緊急支援金の支給額減額で、スーパーマーケットなどの大型小売店などの売上が激減し始めたと30日付現地紙が報じた。
緊急支援金の受給者は6500万人いるが、大半の受給者は9月以降、支援金支給額が600レアルから300レアルに半減された。母子家庭などで家計を支える女性は1200レアルが600レアルに。
緊急支援金が減額された上、12月には打ちきられると知った受給者らが食料品などを買い急いだため、食料品を中心に物価が急激に上昇した事が、これに追い討ちをかけた。
10月15日締めの拡大消費者物価指数(IPCA―15)は0・94%も上がっており、緊急支援金などを必要とする低所得者層の懐を直撃した。
物価が上がった上に所得が減少した消費者は、本当に必要なもの以外は買わないという姿勢に転じたため、卸と小売をかねたアタカレージョと呼ばれる店では、ここ数週間の売上が最大で10%も減少した。同様の現象はスーパーマーケットでも起きており、前月比で7%減のように売上が大幅に落ちている。
コロナ禍故の外出自粛などで、3~4月の消費は大幅に落ちたが、緊急支援金の支給が始まり、食料品などのストックがなくなった消費者が一斉に買い物に出始めた5月以降は、売上が急速に回復した。だが、支援金の減額と物価高故の買い控えとで消費熱が冷め、急激な売上減少を招いたようだ。