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《ブラジル》11月の小売販売は3%増=年間を通じた回復は困難か

 サンパウロ州商業連盟が10月26日、11月の小売販売は昨年同月比で3%まで拡大する可能性があるとの見通しを発表したと同日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 11月はクリスマス商戦の前哨戦ともいうべきブラックフライデーがあるため、例年、売上が伸びる。今年はコロナ禍によって落ち込んだ小売販売を回復できるかを占うものとして、例年以上の期待がかかっている。
 一般的には、今年はブラックフライデー、クリスマス商戦共に順調との見通しが出ている。だが、3月以降の外出自粛令に伴う経済活動の落ち込みや失業率上昇、所得減などの影響は大きく、年末時点の小売販売の総額は、昨年実績より3%程度少ないと見られている。
 今回の予想は、新型コロナのパンデミックで経済活動や消費活動が急速に落ち込んだ頃のものよりは改善した。

 とはいえ、外出規制緩和に伴う消費活動再開が段階的であった事や、感染を怖れて外出を控える人がいる事、先行き不安感が拭いきれない事などで、コロナ禍による売上減少分を完全に取り戻すには至らないと見られている。
 商業連盟は、今回発表した数字はあくまでも見通しであって、各々の店舗は、宣伝活動を含んだ販売計画を練り、在庫の確保を行った上で、割引率などを決める必要があると忠告している。
 コロナ感染症の感染拡大を防ぐ意味で、店頭では、社会的な距離を確保し、消毒を徹底するなどの原則を守らなければならない事も確認。
 そういう意味で、今年のブラックフライデーやクリスマス商戦では、オンライン販売や予約販売、ドライブスルー形式での販売が例年以上に増えると見られている。