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《ブラジル》コロナ禍=必需品のインフレ率は4倍=最大で17・96%も上昇=食料値上がりは全てに影響

テレワークのためにアパートを改築し、家具も揃えたアレッシャンドレ・シュワルツ氏(4日付エスタード紙電子版の記事の一部)

 【既報関連】中銀が3日に発表した経済動向調査「フォーカス」での今年の予測インフレ率が7カ月ぶりに3%台に戻ったが、コロナ禍の中でも需要が高かった品々のインフレ率は調査対象品目全般の物価上昇率の4倍に達していたと4日付現地紙が報じた。
 需要が増えたり供給が減ると、物価は上がる。この原則はコロナ禍の中でも生きており、5~10月の場合、外出自粛や在宅勤務の増加などで自宅にいる時間が長くなった消費者が欲した品々の価格(グループ別)は、最大で17・96%も上昇した事がわかった。
 各月15日締めのインフレ指数(IPCA―15)でみて物価上昇率が高かった上位10グループとインフレ率は、テレビや音響機器、情報処理用機器17・96%、家庭電化製品や付属品8・88%、宝石・装飾品類7・22%、家庭消費の食料品7・22%、修理や保守5・52%、寝室や食卓、バスルーム用品5・18%、服地や縫製用品3・97%、交換用部品3・36%、煙草類3・03%、通信サービス2・61%だ。10グループの平均インフレ率は5・80%で、同期間中のIPCA―15(1・35%)の4倍以上だった。
 これらの品目の需要増は、8月の売上がパンデミック前の1~2月と比べてどれだけ増えたかを見ても明らかだ。売上が最も増えたのは家具・電気電子製品の25・3%で、建築資材20・1%やその他の個人・家庭用品13・4%、ハイパーマーケット、スーパーマーケット、食料品、飲料、煙草類8・5%、医薬・医療品、香水・化粧品5・4%などが続く。

 他方、価格が下がった10のグループとその低下率は、公共交通6・24%、定期的な講座やセミナー4・10%、家具3・58%、婦人服3・32%、その他の講座2・26%、文房具2・21%、靴・アクセサリー1・53%、眼鏡1・35%、レクリエーション1・33%、子供服0・89%となっている。10グループの価格の平均低下率は3・42%となっている。
 専門家は、貧富に関係なく必要な食料品の値上がり継続が、IPCA―15の上昇にも大きく影響していると指摘。5月にはインフレ率算出時に対象とする品目の45%が値上がりしていたが、10月は64%の品目で価格上昇が見られた。10月はコロナ禍に伴う緊急支援金減額の影響も出始めた時期だ。
 パンデミックのためにテレワークを始める必要が生じて部屋を借りたが間に合わず、アパートを購入した男性は、家具類の価格急騰を実感。在宅勤務に入り、コンピューター関連の資材が必要となったが、外付のハードディスクが32・5%値上がりしていて驚いた女性もいる。また、リオ市で観光客相手の商売をしている男性は、コロナ禍で商売が成り立たない上に緊急支援金減額で、果物を買う事もままならないし、脳血管障害を起こした妻の治療も途絶えがちとぼやいているなどの具体例が報じられている。