北東部アラゴアス州で5日、サンフランシスコ川からセルトン地区に水を引く水路の開通を祝う式典が行われ、農村地区42市への水の供給が始まったと同日付現地サイトが報じた。
サンフランシスコ川の水をセルトン地区に引く工事は8段階に分けられており、今回開通したのは第4段階だ。連邦政府は第4段階の工事に1200万レアルを投じてきた。第8段階完成時の水路は、全長250キロに及び、100万人に恩恵をもたらす見込みだ。
5日の開通式にはボルソナロ大統領をはじめとする連邦政府関係者や同州の政界関係者などが参加し、同州内の工事継続のためにさらに1480万レアルを投入する事などが発表された。第4段階終了により、11万3千人が恩恵を受ける。
従来は、水を求めて36キロ移動していた農家のジョゼ・ラエルシオ氏(62)は、蛇口を開けば水撒きができる生活に歓喜の声を上げ、「これからは、水を求めて1日中歩く必要はなく、年間を通じて作物を作れる」と顔をほころばせる。
サンフランシスコ川の疎水工事の恩恵はこれまでも、アルト・セルトン地区の22万8千人の生活を潤してきた。水路を通して運ばれる水は、生活用水や農業用水として使われている。同川の疎水工事は長い間停止していたが、現在は来年にかけても継続して行われる予定だ。
セルジッペ州との境にあり、カンガセイロ(盗賊)のランピオンが捕らえられたとされるピラーニャス市では、19世紀の建物を巡るツアーやフランシスコ川の峡谷巡りなど、観光面での発展も期待されている。