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《記者コラム》世論調査も票集計も、実は米国よりブラジルの方が上?

トランプ大統領(Twitter de Trump)

トランプ大統領(Twitter de Trump)

 3日、米国では4年に1度の大イベント、大統領選が行われた。全世界の人が票の動向を血眼になって追い、コラム子もご多分に漏れず、注目している。だが、前回16年のときに感じたあの「違和感」は今回も引き続き感じられた。
 その違和感とは「世論調査」、そして「票集計」だ。前回の選挙も「ヒラリー・クリントン氏の勝利」が予想され、今回の選挙でもジョー・バイデン氏の圧勝が予想されていた。ところが蓋を開けてみると、前回の選挙ではトランプ氏が勝利し、今回の選挙でも手に汗に握る大接戦となっている。このような、「予想との食い違い」が生まれてしまうのはなぜなのだろう。
 コラム子は2010年以降、ブラジルで3度の大統領選と、今度の15日のもので3度目となる市長選を経験しているが、米国大統領選のように世論調査での予想が外れる光景は見たことがない。
 読者の中には「18年の選挙のとき、ボルソナロは決選投票で多くの候補者に負けると予想されていたじゃないか」と反論する方もいるかもしれない。だが、それはあくまで投票日から離れたタイミングでの調査の話だ。
 投票の1週間から10日ほど前からはじまった独走タイミングの際にはダッタフォーリャ、イボッピといった調査機関はしっかり予想できていた。「選挙当日になってみてびっくり」という事態はこれまでにない。
 一体、どういうサンプル統計をすれば、そんなにずれるのか。人口はアメリカで3億2千万人、ブラジルで2億1千万人と数は違うものの、ブラジルだってそれなりに大きな国だ。しかも、持っているテクノロジーで比べればブラジルより断然上のはずだ。
 そして、コラム子がもっと理解出来ないのが「集計方法」だ。アメリカほどの技術大国が、なぜ電子集計を行わないのか。それこそブラジルでは、もう10年以上も前から導入されているやり方で、これにより集計までの時間も節約でき、不正防止もできている。
 これに関しては、日本も同様に紙による集計を行っているからさらに不思議だ。トランプ氏は4日、事前投票で投じられたウイスコンシン州とミシガン州の票の数え直しを求めていたが、それで不正を疑うのなら、自分の4年の任期のうちに選挙法を改正して電子投票にするべきだったのではないか。
 15日にはブラジルでも全国市長選だが、世論調査の正確さと、投票結果発表の迅速さを改めて示してほしいところだ。(陽)