教育省と国立教育研究院(Inep)が4日に発表した基礎教育評価システム(Saeb)の結果によると、小学2年生の4人に1人は3音節の単語を書き取れなかったと4、5日付現地紙、サイトが報じた。
昨年のSaebは基礎教育課程(小中学校)の2、5、9年生と、中等教育課程(高校)の3年生、計560万人を対象に行われた。対象校は私立校2117校を含む7万2506校で、ポルトガル語と算数(数学)の習得度は1~8で評価された。
2年生の評価は初めて。ポ語では1以下が4・62%、1が4・22%、2が6・72%、3が11・9%、4が17・8%、5が21・55%、6が18・39%、7が9・76%、8が5・04%だった。
8の生徒は質問された内容に沿った情報を長文からも読み取れる。4ならば3音節の言葉の書き取りができ、短文からの情報が読み取れる。
ポ語では5~8が55%を占め、基本的な識字教育(アルファベチザサン)はそれなりの成果を上げている。だが3音節の単語が書き取れない生徒が27・5%いるという状態は懸念すべきだ。
2017年改訂の全国共通基本カリキュラムでは、アルファベチザサンは2年生までにと定めている。Saebでは書き取りと読解、作文で学力を評価した。
算数では1以下が2・82%、1が4・48%、2が8・62%、3が14・42%、4が19・83%、5が18・16%、6が14・53%、7が10・15%、8が6・99%で、1~4が過半数を占めた。
4以下だと、ある月のカレンダーを示されても、その月が何曜日から始まるかを答えられないなど、ごく日常的な数字の理解が出来ていないという。
学力には住環境や地域による格差が見られ、一般的に言えば、市街地に住む生徒は農村部に住む生徒より、州都に住む生徒は内陸部に住む生徒より、学力が高かった。
2年生のポ語が全国平均の750点以上だった州はセアラー、サンパウロ、エスピリトサント、リオ、ミナス、パラナ、リオ・グランデ・ド・スル、サンタカタリーナ、ゴイアス、連邦直轄区。
最高のセアラー州と最低のアマパー州では平均点に52・76点の差があった。中西部と南東部、南部は算数でも良い評価を得たが、セアラー州は算数でも例外で全国平均を大きく上回る好成績を得た。
2年生の評価は過去のものと比較出来ないが、2016年のアルファベチザサン全国評価(ANA)では小学3年生の読み書きレベルが不充分と指摘されていた。当時は3年生がアルファベチザサンを終える年だった。
現政権は識字教育を優先事項とし、親による自宅での読み聞かせを奨励するプログラムを音声による識字教育の軸にしているが、昨年の評価で見る限り、識字教育はまだまだ不充分といえそうだ。
今年はコロナ禍で対面授業が出来ていない事もあり、識字教育も含めた基礎教育課程の習熟度に不安を覚える声が多い。