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《ブラジル北部》州の9割が大停電=予備設備も故障、復旧に15日か

停電に苦しむアマパー州民(Twitter)

 アマパー州で3日から大停電が起き、6日現在も復旧しない混乱状態のため、15日に行われる市長・市議選に影響しかねない事態になっていると、6日付現地紙、サイトなどが報じている。
 アマパー州での停電は3日の夜に発生した。原因はこの日の20時台に、州都のマカパー市北部にあり、州内全域に電気を送る変電所で起きた火災によって、変電所内部の設備が故障し、送電が不可能となったためだ。
 メイン設備が故障した場合の予備設備も、半年前に故障したまま放置されていたと報道されており、一時的な故障というよりもインフラ整備体制自体の問題となっている。
 この停電によって、マカパー市をはじめ、州内14の市で停電が起きている。同州の市の数は16で、停電の影響は州総人口の90%に及んでいる。

 同州は電力の復旧につとめているが、鉱山動力省は5日、「電力の復旧までに最大で15日かかる」として作業が難航をきわめていることを表明した。連邦政府は特別対策室を設置し、近隣諸州からの物資補給などの緊急支援策を提示すると共に、非常事態を宣言した。
 広域停電で被害を受けた市では、電気が使えないために水道も使えなくなっている。電話やインターネットも使えない状況で、スーパーマーケットやガソリンスタンドでは飲み水などを求めて、コロナ禍の中にも関わらず、長蛇の列ができている。
 自家発電設備を持つホテルだけが灯りをつけており、そこにも人が集まっているという。現金の引き落としもできず、病院での手術も全てキャンセルされた。
 マカパーでは30日間の非常事態宣言が出され、ガソリンスタンドの営業は24時間可能となっている。
 この混乱と新型コロナウイルスの感染拡大により、アマパー州では15日に行われる市長・市議選の投票を延期させようとする動きが起こっている。鉱山動力省はこの広域停電に伴う混乱は1カ月ほど続くとの見方を示している。