ミナス州ブルマジーニョにある現代美術研究所・植物園(Inhotim)が7日、約8カ月ぶりに営業を再開した。
同研究所は、ミナス州での黄熱病流行時やブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故後も来館者が激減し、経営の危機に立たされたが、今回は、新型コロナのパンデミック故の休館を強いられていた。
営業再開は収容人数の10%の500人を上限とし、衛生基準も遵守して行われた。このため、再開初日の7日は開館から1時間後も駐車場には僅かの車とバス1台のみという、従来とまるで違う光景が見られた。入り口にはマスク着用などの衛生基準を掲示し、入場者にはパンフレットを配布。入り口で体温測定を行う、随所にアルコールジェルを置くなどの管理も徹底した。
営業再開は多くの人が待ちわびていたもので、営業再開と公表すると入場券はあっという間に売り切れた。最終金曜日は無料公開日だが、今月27日の入場券も全てはけている。
同研究所は緑があり、屋外展示なども可能なため、生活に不可欠なサービスではないが、営業再開が認められた。ブルマジーニョ市では新型コロナ感染者が1207人、死者が15人出ている。
初日の訪問者は、外出自粛や社会的隔離を強いられた後の憩いの時を求める子供連れの家族が多く、各々が植物園や博物館、ギャラリーでの散策や作品閲覧を楽しんだ。ギャラリーの一部では作品を見るために順番を待つ人の列もできた。
ダム決壊事故の後に同研究所を訪問したいと考えていたが、新型コロナの感染拡大で先延ばしになっていたというルイス・フェルナンデス氏(60)は、677キロ離れたボルボレマ市から家族連れで来館。市外に出たのはパンデミック後、初めてだという。
109キロ離れたコンセリェイロ・ラファイエテ市から来たダニエレ・バルボーザ氏(28)も、「ここのように外気に触れられる場所はより安全だし、マスク着用などの表示もある。来館者も全員マスクを着けているから安心して楽しめる」と語った。
高齢故に外出を禁じられていたというエドゥアルド・レオン氏(72)は、妻や姑、息子夫婦と共に来館。「開設時からいつも来ていたから、懐かしさで胸が一杯だ」と思いの丈を語っていた。
同研究所では、感染学者らの指導を受け、展示物の内容や展示場所なども詳細に検討した上で営業再開を決めた。月末には来館者の動きなどを再評価し、今後の営業方針を見直す意向だ。
観光関連部門は新型コロナの影響が最も深刻な部門の一つで、同研究所でも職員84人が解雇された。また、経費削減のため、一時的に理事会を解散。閉鎖期間中はスポンサーの確保や支援増を依頼するなどの努力と並行し、ソーシャルネットワークで展示物紹介などを行う、画家と作家の対談ビデオを作成して流すといった活動も続けてきたという。(9日付フォーリャ紙より)