【バイデン当確】来年の伯米関係に影響大?!=ボルソナロ祝辞送らずトーンダウン=外交や環境問題で変化必至か

7日、米国大統領選でジョー・バイデン氏が現職のドナルド・トランプ氏を破って当選確実とした。トランプ氏は結果を認めず、法廷闘争へ持ち込むとし、ボルソナロ大統領もバイデン氏の当選を認めていないが、結果が覆ることは難しく、伯米外交の変化などを余儀なくされそうだ。8日付現地紙などが報じている。
米国大統領選は、バイデン氏が選挙人の過半数となる270人以上を確保したことで当確となった。ブラジル政府は、中国、ロシア、メキシコと並び、「正式に勝者が決まるまでは」とバイデン氏に祝辞を送っていない。南米諸国で祝辞を送っていない国家元首はボルソナロ氏のみだ。
トランプ氏は「選挙に不正があった」として敗北を認めていないが、不正の証拠を提示していない。さらに、逆転当選するには9日午前現在で両者の獲得選挙人としてカウントされておらず、しかも、現状ではバイデン氏が1万票以上の差でリードしているジョージア州、アリゾナ州で逆転した上、バイデン氏の勝利がすでに確定した州からもうひとつを再集計で逆転しない限り、勝ちにはならない。米国の選挙で再集計で結果が覆った例は、差が100の桁までの場合しかなく、苦しい状況に変わりはない。
米国選挙の開票期間中、大統領三男エドゥアルド下議はトランプ氏と呼応するように選挙での不正を訴えたが、ボルソナロ氏本人は比較的おとなしくしており、トランプ氏の敗色が濃くなった6日には「トランプ氏は世界で最も重要な人物ではなくなった」と語った。
とはいえ、その晩の恒例のネット生放送では「ブラジルの選挙も米国のように手作業集計がいい」と発言し、物議を醸した。ブラジルは電子集計がきわめて好評で、手作業集計に変更するには25億レアルかかるといわれている。
もっとも、連邦政府の軍閥閣僚は今回の選挙でバイデン氏を支持していたという。政権内部では初年から軍関係者と、米国在住の極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の極右思想派閥が絶えず対立していたためだ。
とりわけ、エルネスト・アラウージョ外相は熱烈なトランプ支持者であるため、トランプ氏抜きの状態では外交上孤立する恐れがあり、交代も噂され始めている。
環境問題でも、リカルド・サレス環境相の処遇が注目されている。バイデン氏は選挙キャンペーン中からアマゾン森林伐採の急増に厳しい言及をしており、圧力をかけることも辞さない態度でいる。この点でも、パリ協定を抜けることを宣言していたトランプ氏とは真逆で、ボルソナロ氏もこれまでの森林伐採推進の姿勢を保てなくなる可能性が強い。
バイデン氏勝利の報道は金融市場的にも受けがよく、6日に5・3920レアルまでレアル高にふれ、週明けの9日の午前中には一時、5・2レアル台にまでなった。この日は、米国のファイザー製薬が開発中のコロナウイルス用のワクチンは「90%以上の効果あり」との研究成果も発表され、予防接種への期待も高まった。
国内メディアでは「バイデンなら対中政策が今より軟化し、ブラジルのG5選択肢にファーウェイが入るかも?」といった話題が繰り返されている。