ボルソナロ大統領長男フラヴィオ上議のラシャジーニャ疑惑で、幽霊職員の給与の大量振り込みを受けていたファブリシオ・ケイロス容疑者が2018年のフラヴィオ氏の上院議員選で隠し口座に入金を行っていたこと、今年2月に射殺されたリオのミリシアの大物アドリアーノ・ダ・ノブレガ氏もラシャジーニャに参加していた可能性が高まっていること、フラヴィオ氏の元職員のラシャジーニャ参加を裏付ける証拠の電話の通話内容が公開されるなど、気になる報道が相次いでいる。9日付現地紙などが報じている。
3日にフラヴィオ氏を起訴したリオ州検察局の記録によると、ケイロス容疑者は2018年10月に行われたフラヴィオ氏の上院議員選の際、選挙の鍵を握る人たちに計1万2千レアルを支払っていたことが判明したという。支払いは9月3日から10月8日にかけて計15回にわたって行われた。これらはいずれも、フラヴィオ氏の選挙献金としても経費としても計上されていない裏金だった。
これと同じ期間中、ケイロス容疑者は5千レアルずつ11回、計6万3千レアルを引き落としたことも判明。同容疑者はこの期間中、フラヴィオ氏の幽霊職員少なくとも5人から4万9千レアルを受け取っていたことも明らかになっている。
ケイロス容疑者は以前にも、フラヴィオ氏の保険代や娘の月謝など、計26万1千レアルを代わりに払っていたと、検察局から発表されていた。
一方、リオ州検察局は6日、諸々の暗殺命令などを行っていたリオ市のミリシア(犯罪者の民兵組織)のリーダー、アドリアーノ・ダ・ノブレガ氏がフラヴィオ氏のラシャジーニャに関与していた疑惑を強めていると発表した。アドリアーノ氏の妻のダニエレ・メンドンサ・ダ・コスタ氏、母親のライムンダ・ヴェラス・マガリャンエス氏がフラヴィオ氏の職員であったことは以前から報じられ、今回起訴された元職員にも二人が含まれている。
検察局によると、ダニエレ氏はケイロス容疑者がフラヴィオ氏に雇われた2007年、ライムンダ氏は2015年に職員として登録された。二人とも議会に現れたことはないにも関わらず給与を受け取り、少なくとも40万レアルをケイロス氏にキックバックしていたという。
検察局は、ケイロス氏とアドリアーノ氏が古くからの友人であったことが、ダニエレ氏とライムンダ氏の職員登録につながったと見ており、アドリアーノ氏も関与したとみなしているという。検察局は、アドリアーノ氏の妻や母がケイロス容疑者に振り込んだ金は、最終的に100万レアルを超えていたと見ている。
8日放送のグローボ局の報道番組「ファンタスチコ」では、幽霊職員だったと告白し、検察局での証言も行ったフラヴィオ氏の元職員ルイーザ・ソウザ・パエス氏のメッセージを公表した。それは、ラシャジーニャ疑惑がはじめてグローボ局で報じられた2018年12月7日に彼女が父親(ケイロス容疑者の友人)と取り交わしたもので、ルイーザ氏が「午後のニュースを見た? ケイロス氏が取りまとめている取引のことが報じられたんだけど、もう最悪よ」と書き送っていたことが明らかにされた。