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《ブラジル》家賃調整用の物価指数高騰=12カ月間で23・79%も

賃貸の事務所やアパートが入る高層ビルが立ち並ぶ聖市(Divulgacao/Diego Moreira/Maquina CW/Governo do estado de Sao Paulo)

 家賃の年次調整などに使われる総合市場物価指数(IGP-M)が11月の最初の試算で2・67%を記録し、10月初旬の1・97%を上回ったと、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が10日に発表した。
 FGVによると、12カ月間の累積IGP-Mは23・79%に達していると同日付現地サイトが報じた。
 IGP-Mは卸内物価指数(IPA)、消費者物価指数(IPC)、全国建設コスト指数(IPCC)からなり、各々の比重は60%、30%、10%となっている。
 11月初旬の指数は、IPAが3・48%、IPCCが1・31%上昇した。10月初旬の指数は2・45%と1・26%だったから、物価高が進んでいる。なお、IPCは0・64%が0・41%になり、若干ながら上昇率が下がった。
 IGP-Mの上昇は借家住まいの人や、事務所などを借りている人には頭痛の種だ。

 10日付現地紙では、9月までの12カ月間のIGP-Mは17・94%であった事と共に、新型コロナウイルスのパンデミックで生じた景気後退に伴う失業や所得減少などで悩む人や企業が、IGP-Mを利用した家賃の自動調整に応じきれず、退去などをほのめかす例が増え、調整を据え置くケースや割引を行うケースまで出ていると報じている。
 不動産屋が独自に行ったアンケートでは、35%が家賃調整を諦め、42・03%が指数以下の調整を行ったが、通常通りに家賃を調整した例も18・41%あった。賃貸契約の見直しを行った例も4%あったという。