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《ブラジル》全国市長選/サンパウロ市コーヴァス、リオはパエス有利=大統領の高不支持率が悪影響=大停電アマパーは投票延期

聖市市長選の支持率伝えるメディア(Twitter)

 全国市長選を目前に控え、投票前の市民に必要な世論調査の結果があがってきている。最新のダッタフォーリャの調査によると、サンパウロ市ではブルーノ・コーヴァス氏(民主社会党・PSDB)、リオ市ではエドゥアルド・パエス氏(民主党・DEM)のリードが大きくなっている。また、大停電がまだ収拾していないアマパー州では州都マカパーの選挙日時が延期されている。12日付現地紙、サイトが報じている。
 サンパウロ市市長候補のセルソ・ルッソマノ氏(共和者・RP)の要請がサンパウロ州選挙裁に受け入れられたことにより、ダッタフォーリャは9日、10日に行った調査の発表が差し止められていた。だが地域選挙裁が11日夜に許可を出したため、発表が可能となった。
 ダッタフォーリャによるサンパウロ市市長選の世論調査では、コーヴァス氏の支持率が前回(3~4日)の調査より4%ポイント(P)上昇して32%となり、かなり盤石の状態となった。
 2位は、14%から16%に支持を上げたギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)だ。ルッソマノ氏は16%から14%に支持率を下げ、3位に落ちた。4位には12%でマルシオ・フランサ前サンパウロ州知事(ブラジル社会党・PSB)、5位に4%で労働者党(PT)のジウマール・タット氏がつけている。

 リオ市ではパエス氏が、前回5日の調査から支持率を3%P上げて34%とした。2位で現職のマルセロ・クリヴェラ市長(RP)は、15%から少し下がって14%。クリヴェラ氏との差を詰めていたマルタ・ロシャ氏(民主労働党・PDT)は3位のままで、14%から11%に支持率を下げた。4位にはベネジータ・デ・シウヴァ氏が、前回と同じ8%で続いた。
 ボルソナロ大統領は、サンパウロ市でルッソマノ氏、リオ市でクリヴェラ氏を推しているが、状況は厳しい。ダッタフォーリャによると、サンパウロ市でのボルソナロ政権の評価は、「悪い」が50%に達し、「良い」の23%を2倍以上になっている。リオ市でも、1週間前に行った調査では34%だった「良い」が28%に急落。「悪い」も42%で、大統領(現政権)への評価悪化で、「大統領推薦」を受けた候補のイメージまで悪くなっていることを裏付けている。
 選挙高裁のルイス・ロベルト・バローゾ長官は12日夜、大停電からの復旧のめどが立たないアマパー州に関し、同州選挙地域裁からの嘆願を受け入れる形で、州都マカパーの選挙日程を延期することを認めた。マカパー市では、停電が収束しない事を不満とする市民が、バリケードを築いたりして抗議行動を繰り返し、治安が悪化しているためだ。同市の投票日は停電終了後、改めて定められる。
 選挙高裁によると、今年は候補者の不正献金や投票集計機への不正などに関する一般市民からのネット投稿やリンクなどが、全くの根拠のないままに大量に発生・流布しており、11月3日の米国大統領選のような混乱を引き起こすのではないかとの懸念が広がっているという。