12日にリオ市で、同市の市長選や市会議員選に出馬している候補者に便宜を図ろうとしたミリシア(犯罪者の民兵組織)を摘発するための連邦警察の捜査が行われた。同日付現地サイトが報じている。
捜査されたのはリオ西部に拠点を置くミリシア「リーガ・ダ・ジュスチッサ」の創始者ら10人、関連する12カ所が家宅捜索などの対象となった。
連警は捜査対象者の名前を明かしていないが、その中の2人はジョゼ・ギマリャンエス・ナタリーノ、ジェロニモ・ギマリャンエス・フィーリョという兄弟で、ジェロニモの娘と姪であるカルミーニャ・ジェロミーニョ氏とジェシカ・ナタリーノ氏の便宜を図ろうとしていたという。
ジェシカ氏は、ブラジル女性の党(PMB)から市長選に出馬しているスエジ・アイダ氏の副候補、カルミーニャ氏はリオ市議選に出馬している。G1サイトによると、スエジ氏も家宅捜索などの対象となっている。
捜査対象者10人の内、2人の家からは32万レアルと2500ドルの現金、選挙用の広告入りマスクその他の選挙キャンペーングッズなどが押収されたという。
今回の捜査は財政情報局のデータに基づいたもので、「捜査対象者らとつながりのある企業(複数)の中で、100万レアルに上る不審な金の動きが見られた」という。捜査はまだ継続中だ。
ギマリャンエス兄弟は過去にも犯罪歴があり、有罪判決を受けているため、今回の選挙にはフィッシャ・リンパ法の適用で出馬できない。連警では、本人たちが出馬できないため、親類を出馬させて同市西部での利権を確保しようとしたのではないかと見ている。
選挙法では、候補者は投票日の前15日間、有権者も5日間は現行犯以外は逮捕できない。そのため、カルミーニャ氏、ジェシカ氏らが逮捕されることはなかった。ただし、捜査対象者の1人は、武器の不法所持で警察に連行された。
リオ市では、リーガ・ダ・ジュスチッサによる選挙介入が、2008、2012年にも摘発されている。
PMBは、「同党は選挙地域裁が検証、承認した政党で、犯罪歴はなく(フィッシャ・リンパ)、全国で1050人の候補者を抱えている。同党への加入や候補指名、候補認定は全て、民主的に行われた」と主張している。