今年のサンパウロ市市長選には珍しく日系副市長候補がいる。ヴェラ・ルシア率いる左派・統一社会党(PSTU)から立候補しているルーカス・アントニオ・ニイズマ・シマブクロ氏(38、サンパウロ出身)だ。
父方は沖縄県移民と母は福島県移民のルーツを持ち、サンパウロの市立教師の経歴を持ち、「移民」「教育」へ着目した公約を掲げている。
「党ではハイチやボリビアの移民問題が頻繁に議論されていますが、祖母が私に話してくれた当時の移民問題に通じるところが非常に多い」と指摘。父方の家系が渡伯したのは約100年前と古い。
新型コロナウイルスの流行で「人種差別問題がより明るみになった」と訴える。エドゥアルド・ボウソナロ下院議員(PSL-SP)が中国とコロナ禍を関連付けた発言を繰り返している事から「アジア系コミュニティへの差別を助長している」とも付け加えた。
「今や黒人、女性、LGBT、移民は最も抑圧されていると国際的に討論がなされています」とし、社会的弱者救済への関心の高さを伺わせ、労働者が評議会を通じて統治する社会主義政府を後押しする。