ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》モウロン副大統領「バイデンは次期米国大統領」=個人的見解では当選認める=ボルソナロは頑なに認めない中=アマゾン問題でも見解は真逆

《ブラジル》モウロン副大統領「バイデンは次期米国大統領」=個人的見解では当選認める=ボルソナロは頑なに認めない中=アマゾン問題でも見解は真逆

モウロン副大統領(Fabio Rodriguez Pozzebom/Agencia Brasil)

 アミウトン・モウロン副大統領は13日、ジョー・バイデン氏が米国の大統領選を制し、次期大統領になることに関し、「私見」とはしながらも、「その事実を覆すことは日を追うごとに難しくなっている」と語り、「当選を認める」との見解を示した。ボルソナロ大統領はこの時点ではまだ、バイデン氏を次期大統領として認める発言を行っていない。13日伯字紙サイトが報じている。
 この発言は13日午前、モウロン氏がリオ・グランデ・ド・スル州のラジオ局「ラジオ・ガウシャ」のインタビューに応えた際に出たもの。この番組で司会者が、「あなたはバイデン氏が次期米国大統領だと認めるか」と質問したのに対し、「私見としてなら、私は認める。だが、連邦政府の公式見解としてではない」と答えた。
 モウロン氏はさらに、「私の見る限りでは、この状況が覆ることは日に日に難しくなっている」とも語った。
 この発言は、ブラジリア時間で同日未明、米国大統領選の集計と結果が出るのが遅れていたアリゾナ州で、バイデン氏が勝利したことが確認され、新たな選挙人を獲得したとの報道が流れたことを受けてのものだった。これでバイデン氏は選挙人を新たに11人獲得し、当選の基準となる270人を20人超えた計算となる。

 トランプ氏がこれを覆すには、現在再集計中で勝敗の決着がついておらず、バイデン氏が1万票以上リードしているジョージア州でトランプ氏が逆転し、さらにバイデン氏が勝利した州から最低21人の選挙人を減らす、つまり、2州分の結果を逆転させなければならない。だが、それを可能とするようなバイデン氏側の不正の報告は行われていない。
 13日は、アリゾナ州での勝利を受けて、中国がバイデン氏を次期大統領として承認した。これで、バイデン氏の承認を行っていない国は、ロシア、メキシコ、ブラジルのみとなった。
 ボルソナロ大統領はここまで、トランプ支持者がネットで行っているような「バイデン氏側の不正」を訴える行為にこそ出ていない。だが、10日には、アマゾンの森林伐採問題に関するバイデン氏の発言に対して、「火薬で解決」と武力行使を思わせる発言をして問題となっている。
 12日も、自身の支持者に「米国の選挙のことをどう思う?」と尋ねた後、「トランプ氏を支持していたから、今も(敗北を)嘆いている」との答を聞いて、「だが、米国での選挙はもう終わったのか(まだ、終わっていないだろう)?」と尋ね返す場面を目撃されている。
 一方、モウロン副大統領はアマゾン問題に関しても、ボルソナロ大統領が考えるような「干渉」を行っているとは考えておらず、「環境問題に関して、お互いに良きパートナーになれる可能性さえある」との発言を、12日に行っている。
 連邦政府内でも、軍人官僚たちはバイデン氏の当選に対して好意的と言われており、アウグスト・エレーノ安全保障室(GSI)長官がボルソナロ氏に対して、バイデン氏を次期大統領として認めるよう説得を試みたとの報道も行われている。