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ドリップバッグの新商品発売=カフェ・ファゼンダ・アリアンサ社

新商品『ドリップ・コーヒー』

新商品『ドリップ・コーヒー』

 上品なパッケージから漂う香ばしいコーヒー豆の香り││「用意する時からワクワクします」とは、カフェ・ファゼンダ・アリアンサ社(石川レナト代表)が10月末に販売を開始した『ドリップ・コーヒー(Drip Coffee)』を淹れる際によく聞く感想だ。
 『ドリップ・コーヒー』はカップオンタイプの便利なドリップバッグ。コップにかけられる紙ドリップにコーヒーの粉が入っている。
 日本では既になじみの方法ではあるが、ブラジルでは珍しい。栄枯盛衰の激しいコーヒー業界を生き抜くため、同社が世界を見聞して採用した新商品がこれだ。
 発売開始からギフト用やコロナ禍の外出自粛中の自宅での楽しみに、同社のコーヒーを知る人たちから注文が増加している。

アリアンサ農園を歩く石川レナトさん

アリアンサ農園を歩く石川レナトさん

 「ファゼンダ・アリアンサ」農場はサンパウロ州モジアナ地方、ミナス・ジェライス州との州境に近いサン・ジョアン・ダ・ボアビスタに位置する。
 1882年に開かれた伝統ある農園で、石川さんが購入したのは1996年。現在1400ヘクタールの敷地内の350ヘクタールでコーヒーが栽培されている。   
 「求める味は日本のコーヒーのような柔らかな味わい」と語る石川さん。10年以上おいしいコーヒーの研究を重ね、アラビカ種の中のカトゥアイ種を栽培し、焙煎は日本人好みのミディアムを中心にブラジル人好みのイタリアンローストまでを商品化した。
 「今、コーヒービジネスはストーリーが重要視されます。誰が、いつ、どこで、どの様に生産し、消費者まで届けられているかが大事です」と、時代の潮流を感じ取り、ホームページではコーヒー園の話から石川さんの紹介まで、「ファゼンダ・アリアンサ」のコーヒーが身近に感じられるようなテーストにこだわる。
 現在、カフェ・ファゼンダ・アリアンサ社のコーヒーは日本、イタリア、イギリス、ブルガリアに輸出されている。
 「ブラジルの一般的なスーパーでは、割高になる高品質な商品は販売してもらえません」とブラジルのコーヒー事情を受け止め、国内での販売はオンラインのみ。
 焙煎した豆と挽いたコーヒー、カプセルタイプがこれまでの主力商品だった。それに10月からは『ドリップ・コーヒー』(1箱10パック入)が加わった。
 「外出自粛中の楽しみはおいしいコーヒー」という人は少なくない。産地直送のカフェ・ファゼンダ・アリアンサ社は、パンデミックの日常に小さな喜びをもたらしてくれる。
 お求めは同社サイト( https://cafefazendaalianca.com.br)から。