レジストロ日伯文化協会(川尻イリネウ誠会長)と日蓮宗恵明寺(えみょうじ)が共催するレジストロ「第66回レジストロ灯篭流し」が2日午後6時から、オンラインで2時間半あまりライブ開催され、時間中だけで6千人以上が視聴した。一晩明けた3日朝には1万1400人となり、ブラジル国内はもとよりメキシコ、東京などからチャットの書き込みをする人もおり、今まで以上に幅広い人に知られる伝統行事になった。ポ語のみ。ユーチューブでいつでも視聴できる。
同協会の佐久間ダニーロさん、歌手の平田ジョエさんが司会を務め、川尻会長が「ご先祖さまの御霊とコロナ犠牲者の魂を追悼しないで済ませる訳にはいかないと考え、オンラインにしました。来年はいつも通りにやりましょう」と挨拶した。
続いて灯籠を浮かべるリベイラ河の水を川尻会長らが早朝に汲み、サンパウロ市まで車で運んで、恵明寺の石本妙豊住職がお清めする映像が流された。その間、画面右側には、先祖供養の依頼のあった家族名や個人名が下から上に流され、たくさんの一般ブラジル人名が記されていた。
リベイラ河沿岸日系団体連合会の山村敏明会長が「ご先祖様を供養することは日本文化の根幹だ。そのための灯籠流しで、レジストロはブラジル最古。今年はパンデミックがあったから、なおさら重要」と強調した。
JICAブラジル事務所の佐藤洋史所長、ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長や桑名良輔在サンパウロ総領事も祝辞を送った。
所々に同文協の涼風和太鼓の演奏、民謡大和会、カラオケ部の合唱、青年部のコスプレ、盆踊りなどが挟み込まれた。途中、平田さんは「大事な人が亡くなるなど辛いことがあっても、川の流れのように通り過ぎる」というメッセージが込められています」と解説して、「川の流れのように」を熱唱した。
ジルソン・ファンチン市長も「灯籠流しを我が市を代表する伝統行事として国立歴史美術遺産院(IPHAN)の無形文化財登録に申請している。実現すると信じている」と語り、サムエル・モレイラ連邦下議も「米国大統領選挙で混乱が起きているが、この行事は平和を考え直す良い機会」と位置づけた。
最後に平田さんがライブで「千の風になって」を熱唱する中、そぼ降る雨にも関わらず川尻会長らが水難者犠牲碑に焼香して、日本移民112周年を記念して灯籠112基を流す映像が流された。