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《ブラジル》統一地方選=女性や黒人の当選者増加=都市部ほど顕著な傾向

 15日に行われた統一地方選において、黒人や女性の候補がこれまで以上に台頭してきていると17日付現地紙、サイトが報じている。
 選挙高裁のデータによると、15日の一次投票で当選した新または再選市長の内、黒人もしくは褐色と申告していた当選者は全体の32%(白人は67%)を占めたという。2016年の選挙では、黒人が29%、白人が70・4%だった。
 女性の当選者は12%で、これも2016年の11・7%よりも若干だが上昇した。2000年の選挙では5・7%を占めるに過ぎず、全体の10%を超え始めたのは2012年の選挙からだ。
 この傾向は、都市部になればなるほど強くなることも確認された。ブラジルの法律では、有権者数が20万人を超える市に関しては、一次投票で50%以上の得票者が出なかった場合は決選投票が行われる。今回の選挙で決選投票進出となった57市114人の候補を見てみると、男性が82・4%、女性が17・5%で、女性の比率が上がっている。16年の市長選では、男性が94・7%、女性が5・3%だった。

 黒人に関しても、16年の決選投票進出者は、白人の80・7%に対し、褐色17・5%、黒人1・7%だった。20年は白人が71%に対し、褐色26・3%、黒人1・7%と、その比率を大きく上げている。一次投票で市長に当選した候補の比率は、白人67・0%に対し、褐色と黒人合わせて31・9%(1729人)だった。市長当選者の内7人は先住民候補だった。
 サンパウロ市議会では、社会主義自由党(PSOL)が議席を2から6に増やした。その内の一つは、「バンカーダ・フェミニスタ」というフェミニズム運動を目的とした5人からなるグループで、その内の1人はエイズ感染者の女装男性など、これまでにない動きを見せた例もあった。
 全国では、性転換手術を受けて女性となった候補が当選した例もあるが、女性市議がゼロという市も900以上あるという。